「At.明石焼き名鑑」明石焼きの店を明石歴50年の地元民が紹介「ベスト7/全国182店舗中」

【明石焼】「たこ磯」明石焼(玉子焼)の聖地「魚の棚」で一番美味い?

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魚の棚を玉子焼で制したのは「たこ磯」

 明石焼(玉子焼)はもちろん明石発祥で明石民のソウルフードです。「At.明石焼名鑑」登録の184店舗中、明石市内には49店舗存在します。もちろん発祥の地だけあって老舗の名店が揃っています。ちなみに大阪や東京にも件数は多いですが、たこ焼チェーン店がついでに明石焼も提供しているって感じです。
 そんな地元明石の名店は明石の中心地にある新鮮な魚介を取り扱う「魚の棚」(「ウオノタナ」地元では「ウオンタナ」)商店街に集結しています。そしてそんな「魚の棚」にある名店十数店舗の中で頭一つ飛びぬけているのが「たこ磯」なのです。昼前後はまず行列になります。もちろん平日でも並びましょう。

ふわトロ熱々の茶碗蒸し?

 もう「たこ焼き」と「明石焼」が違うものだと、わざわざ説明しなくてもいいと思いますが、「たこ磯」の玉子焼は他の店の玉子焼とは一線を画します。
 まず圧倒的な玉子感。パクリと口の中に放り込むとまるで、手榴弾(爆弾です)を口の中に放り込まれたように玉子感が広がります。爆発するのです!
噛むと熱々の御汁が溢れ出し(ヤケドに注意)存在感たっぷりのタコのうま味も合わさって幸せです。タコは柔らかくてもしっかり噛み応えがある大きさです。

 むかし小籠包を始めて食べた時に衝撃を受けました「一口大の包みの中に中華スープが丸ごと入っている」と。それと同じです。「たこ磯」の玉子焼の中は熱々トロトロ。いうなれば茶碗蒸しでしょうか。それも買ってきてレンチンして食べる安物ではなくて、割烹料理屋さんで玉子たっぷりで蒸しあがった直後の茶碗蒸しです。それが一口大の玉子焼の中に丸ごと入っているのです。

 右の(スマホなら下かな)動画を見てください。その圧倒的なフワフワトロトロの感じが分るでしょうか。中は熱々で出汁も熱々です。口内事故(ヤケド)が必須ですが、かぶりつかずにはおられません(^^;

玉子焼販売数はナンバーワン?

 たこ磯は15個焼ける銅鍋を7枚使います。行列が出来ている頃にはフル稼働で焼いていきます。店内の席数はテーブル7卓(2人✖3卓・4人5卓)で26席。つまりは1度に8グループを処理できます。「7鍋8組」体制というわけです。それに「たこ磯(別館)」が目の前にあるので、そちらの処理数もカウントすべきでしょう。一方、明石でもっとも行列のできる店「ふなまち」は「3鍋3組」体制なので混雑時の回転数は(別館も合わせれば)数倍~十数倍になるでしょう。それでも「ふなまち」はお昼時を除いた朝から晩までず~っと行列が絶えない為、その販売数はいったいどちらが上なのでしょうか・・・。
 ※上の写真は、特別に許可を頂いて撮影しました。

明石といえば「穴子」

 昔からたこ焼も明石焼も具はタコと決まっています。しかし偉人達は皆「タコ以外はダメなのか?」と問答を繰り返し挑戦し戦い、そして敗れ去っていきました。唯一、タコの代替えとして及第点なのがコンニャクとスジ肉だとの定説ですが、それは先祖返りに他ならないのです。※たこ焼と明石焼はラヂオ焼から進化した食べ物なのです。(詳しくは下記の記事参照)

タコの代わりになる具は?

 たこ磯も偉人に倣ってチャレンジャーの一人です。明石といえば「鯛」「タコ」に続いて「穴子」が名産ですが、その穴子を玉子焼の具としてチョイスしました。とうぜんこの挑戦はたこ磯が初めてではありません。
 結果はまだ何とも言えません。もちろん私もミックス(タコと穴子が両方入っている)は好きです。けれど穴子オンリーは「噛み応え」が物足りなくて・・・。
 しかしこのミックス、問題点が浮上してきました。昨今のインフレです。(2023年5月時点)玉子焼(15個)が1人前800円の当店においてミックス焼(タコ・穴子入り15個)1,100円もするのです!。これでは観光客目当ての大阪道頓堀や新大阪にあるセレブご用達のお店と変わりません・・・。「明石ダコ」「明石穴子」はとにかく美味いんです。柔らかくて実が大きく、味が濃くて飽きが来ない。け・れ・ど・・・高いんです(T_T)

出汁も味変ソースも大事

パンチがある玉子焼には、それにあった出汁が必要

「たこ磯」の玉子焼はとにかく玉子感が凄い。まるで料亭の茶碗蒸しのごとくパンチのある風味と美味しさを受け止めるには、つけ出汁にもそれに合わせた強さが求められます。たこ磯で唯一残念なところがつけ出汁なのだ。通常店舗よりは濃い目の鰹だしに三つ葉等の薬味を入れて、玉子焼を受け止める。爆弾のような風味を包み込むために「熱々」の出汁にしている(穴子の風味も大事にする為)。
 ・・・受け止め切れていないのです。玉子焼(タコだけ)の玉子感に対してもこのつけ出汁では物足りなさを感じますが、ミックス焼で穴子の風味まで加わると、このつけ出汁は「薄すぎる」と思います。更なる発展を楽しみにしています。
 ・・・決して、某有名店(本家とか呼ばれているところ等)のように、安易に化学調味料には走らないで欲しいです。化学調味料を追加するだけで問題は解決するのですが、ぜったいに違う術を探して欲しいです。

はたして味変ソースのお味は?

 いつもどおりに玉子感を確認する為に「味変」にとりかかります。
①まず玉子焼を普通に出汁で1/3程頂きます。
②数個に味変ソースを塗ってから、それを出汁で頂きます。
③残りを普通に出汁で頂きます。

 玉子感が弱い明石焼の場合、③の時点でソースなしで食べると味が薄くて、残りにもソースを付けて食べたくなります。玉子感たっぷりの明石焼の場合、③の時点でもソースなどなくても美味しく頂けるのです。
 そして「たこ磯」の場合はもちろん!ソースなどなくてもしっかりとした玉子焼の美味しさを噛みしめる事ができました。若干気になったのは、③の時にでんぷん臭さが出るところでしょうか。これはほとんどの明石焼の名店でも共通するところですが、味変ソースによりでんぷん臭さが完全に抑えられるため、青の後でソースなしで口にするとでんぷん臭が気になってしまうのです。このでんぷん臭を見事に抑えているのは「ふなまち」くらいでしょうか。他にもつけ出汁に化学調味料を入れたり、玉子焼本体(生地)に出汁を多めに入れたり味を付けたりしているところもありますね。

アクセス・行列

・住所:兵庫県明石市本町1丁目1-11
・電話:078-914-5103
・公式サイト:https://takoiso.jp/

・営業時間:平日11:00~21:00
      土日祝10:30~21:00
・定休日:定休日なし

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