「At.明石焼き名鑑」明石焼きの店を明石歴50年の地元民が紹介「ベスト7/全国182店舗中」

【明石焼】究極のとろっとろで熱々の玉子焼を食す「今中」

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 明石の地元民なら知る人ぞ知る明石焼の老舗の一つ「今中」。創業70年を数える名店の一つで、以前(2017年まで)は漁師町である明石市岬町(伊弉册神社の西隣り)にあった。とても奥まったところに先代が店を構えていたため、地元民でもなかなか辿り着きにくいと噂の「玉子焼」だったのです。
 その隠れた老舗が魚の棚のそばに移転してきたのが2017頃。魚の棚商店街(魚の棚のすぐそば)という好立地でした。以前の岬町の店舗は人気が出る事により店舗前の無断駐車が増えて営業できなくなったため、一時的に移転してきたのです。(先代の)息子さんがやっていた寿司屋の近くとの事です。

 魚の棚近くに移転後、先代は引退し寿司屋の息子が跡を継ぎますが、その時に寿司屋を改装して綺麗な明石焼のお店「明石玉子焼 今中」として再スタート(2017/12/7OPEN)します(右写真は2018/6)。

 そして2023年1月に再度休業し、同年4月22日に元の岬町(伊弉册神社の西隣り)へ戻って「明石玉子焼 季節料理 今中」として再々スタートを切ります。
 魚の棚商店街にあった店舗は改装して「明石玉子焼 中々」というお店として2023年6月20日にオープンしました。この中々の店長は「今中」で修業をして、のれん分けで「中々」を開いたようです。こちらも近く取材(食べに行くだけ)したいと思います。

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「玉子焼」と呼ばれる理由の一つが、とろっとろの熱々

 「今中」の玉子焼がどういうものかを説明するには、まず右の動画を見て欲しい。とろっとろの玉子焼はお箸で摘まむのが困難なレベル。数多の玉子焼を摘まんで食べてきた私も思わず取り潰してしまいました。慌てたために撮影が乱れました事、申し訳ございません。

 このとろっとろ具合が「玉子焼(明石焼)」が「たこ焼き」ともっとも違う特徴の一つでしょう。たこ焼きで有名な「築地 銀だこ」のように周りがカリッとした揚げたこ焼とは、まったく対角に存在する食べ物と言えますね。
 玉子焼(明石焼)は柔らかいんです。鉄板焼きのふわふわスフレオムレツやホテルの朝食で出るとろとろスクランブルエッグ小籠包をイメージすれば分かりやすいでしょうか。柔らかい薄皮で茶碗蒸しを包んだような料理というべきかもしれません。

 そんなとろとろの玉子焼の中でも「今中」はトップクラスです。大昔は「本家 きむらや」の玉子焼もお箸で持つのが困難なほどとろとろに柔らかかったんですけどね・・・

お出汁の熱さは意見が分かれるところ

 明石焼の名店ならば、つけ出汁が出てくるタイミングはどこもだいたい同じです。お店に入り注文した後、しばし待ちます。そして玉子焼がそろそろ焼きあがるかな?って時点でお出汁が出てきます。今中の場合は注文してから3~6分後くらいあと。※お出汁を入れる器とお冷だけ先にきます。その後で徳利で湯煎した熱々のお出汁が出てきます。

 羅臼昆布のお出汁は他店のお出汁に馴染んでいる方には薄味に感じるかも知れませんが、柔らかい玉子焼を崩してお出汁と一緒に食べるので、ちょうどいいのです。上品なうま味が出ています。

 本来、熱々の玉子焼を(火傷をしないように)冷まして食べるための出汁が「熱々」なのは意見が分かれるところ。熱々の方がトロトロ感は増します。ただし、以前の今中では夏場は冷ましたお出汁だった時分もあり、いろいろ工夫されているのでしょうか?
 

味変ソースで玉子感を確認します

 明石焼の美味しさはふわトロ感も大事ですが、やはり玉子感が重要だと思うのです。だってたこ焼と違って玉子焼なんですから!
まず玉子焼を1/3程普通にお出汁で食べます途中で数個にソースを塗って出汁にも潜らせて食べますそして残りを普通に出汁だけで食べますそうすると「玉子感」が弱い玉子焼の場合、物足りなくてソースが欲しくなります玉子感」がしっかりあれば、ソースが無くても美味しく最後まで食べられます

 では今中の玉子感はどうでしょうか?
以前より(魚の棚の時より)玉子感が少し弱くなった気がします。惜しいですよね。食感(ふわトロ感)は圧倒的に「今中」なのですが、味は「たこ磯」、総合力で「ふなまち」といったところでしょうか。

とろっとろの秘密はじっくりと時間をかけて焼き上げるから?

明石焼の名店「今中」の明石焼は、弱目の火力でじっくり。
菜箸でほんの数回だけ返します。

 どうすれば今中の玉子焼のようにとろっとろに焼きあがるのだろうか?。答えは簡単だった、中火でじっくり焼き上げるのだ。たまご料理の基本である、ふわトロスフレオムレツとろとろスクランブルエッグも、弱火でじっくり焼き上げるのだ。
 左の動画は待ち時間をカットしているので4分くらいしかないが、実際には約10分の焼き時間を費やしている。他の名店は5分程度、長くても7分程。また「ふなまち」の記事の動画と見比べると分かるが、他店ではテンポよく引っ切り無しに菜箸で玉子焼を返していくのだが、今中ではじっくり待ってから、たまにひっくり返すだけ。合計でも4回ほどしかひっくり返さないようです。とろっとろに焼き上げる熟練の技術が作り上げた食感だったのですね。

唯一の欠点は待ち時間

 4✖4の銅鍋が4枚。注文が少ない時にはコンロの火加減調整の為、途中で隣のコンロに移して焼き上げます。注文が重なり、同時進行で焼く場合でも4枚同時が精いっぱい?
 そして焼き時間に10分程度。カウンター4席と4人テーブルが二つの店内に客が埋まると、最後の者は40~50分は待つかもしれません。美味しい玉子焼の為には忍耐も必要ですね。

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