「来週、海に行こう」と決まってから当日までの一週間ほどは、何をどこで買えばいいのか分からないまま、なんとなく落ち着かない時間が続きます。とりあえず思いつくのはホームセンターで、行けば確かに何でも揃うのですが、レジを通ってみると想像より高い。そして数日後、たまたま寄ったダイソーで同じようなものが110円で吊り下がっているのを見つけて、静かに落ち込む。私は何度もやりました。あの悔しさは、金額そのものよりずっと長く尾を引きます。
ですから、買い物には順番があります。まず100円ショップをひと回りして、そこで手に入らなかったものだけを、後からホームセンターやAmazonで補う。順序を逆にしないというだけのことなのですが、これを守るかどうかで装備一式の総額はずいぶん変わります。
我が家の海は、明石の林崎松江海岸。無料でBBQができる砂浜へ、小学生を連れて車で日帰りするのが定番です。以下はその装備が土台になっていますが、砂浜と日差しと炭火という条件はどこへ行っても同じですから、全国どの海でも、学生や社会人のグループで出かける場合でも、だいたいそのまま使えるはずです。
時間の配分は、こんな具合になります。
- 大物のネット注文は今すぐ。キャリーカートやクーラーボックス、テントの類は、届くまでの日数を甘く見ていると当日に間に合いません
- 100円ショップは週末にまとめて。ここが買い物の本番です
- 食材は前日か当日。先に買っても冷蔵庫を圧迫するだけです
100円ショップへ向かうときは、できるだけ大型店を選んでください。海水浴グッズの品揃えは店舗の規模でまるきり変わるもので、小さな店ではサンダルとゴーグルが数点ぶら下がっているだけ、ということも珍しくありません。近所に大型店がなければ、はじめから2〜3店舗を回るつもりで出かけたほうが、結局は早く片づきます。
ちなみに、個人的におすすめのものは、青ラインを入れています。
時期についても一言だけ。海水浴グッズは典型的な季節商品で、在庫がもっとも厚いのは初夏から盛夏にかけての短い期間です。7月も中旬を過ぎると人気のものから静かに姿を消していきますが、なかでもウォーターシューズは、子供用、男性用、女性用の順に売り切れていきます。子供の分を後回しにすると、たいてい間に合いません。


大きいコンロと大きいテントを、あえて置いていく
大きなBBQコンロと大きなテントがあったほうが快適なのは、まったくそのとおりです。火力は安定しますし、テントは広いほど涼しい。それでも私がいま海へ持っていくのは、使い捨ての簡易コンロと、1,000円のサンシェードです。
理由は、この数年の暑さと、小学生を連れているという事情に尽きます。炭を始末して、コンロを洗って、テントを畳んで収納袋に戻す。あの一連の作業を炎天下の砂浜でやりきる気力が、正直なところもう続きません。子供がいれば自分の装備にかまけている余裕もありませんし、荷物は一つでも減らしたい。
装備の等級を下げるというと後ろ向きに聞こえますが、実際は逆でした。撤収が速いほど、海へ行く回数は増えます。この記事で紹介するものは、おおむねその考え方に沿って選んでいます。
★の見方
各アイテムの見出しには、必要度を★で添えています。
- ★★★ 必須級。これがないと困ります
- ★★☆ あると快適。買って損はありません
- ★☆☆ 贅沢品・任意。余裕があれば
価格はすべて税込です。
第1章 まずは100円ショップへ
海水浴の装備は、想像よりずっと多くが110円から550円のあいだで片づきます。以下は我が家が実際に買い直し続けているもので、ダイソーを軸に、キャンドゥやセリアで見つけたほうが早いものはそちらを挙げました。ここに出てこないものだけを、次の章でホームセンターとAmazonに探しに行くことになります。
① 足元と、身につけるもの
★★★ マリンシューズ/アクアシューズ[DAISO・キャンドゥ/330円・550円]大人は550円、子供は330円
砂浜で最初に後悔するのが足元です。真夏の砂は素足で立っていられないほど熱くなりますし、波打ち際には割れた貝殻が沈んでいて、岩場ならなおさら危ない。かといってビーチサンダルは、鼻緒で指のあいだが痛くなるうえ、水に入れば簡単に脱げて波にさらわれます。
ダイソーのウォーターシューズは330円。薄手でくるくる丸まるほどコンパクトなので、人数分買っても荷物になりません。ひとつ上の550円のアクアシューズになると、作りがぐっと靴らしくなります。サイドがメッシュで水がよく抜け、かかとのドローコードを締めておけば水中でも脱げにくい。25〜26cmから27cmあたりの展開なので、大人はこちらを選んでおくと安心です。
我が家は、大人が550円、子供が330円という分け方に落ち着きました。子供の足はどうせ来年には変わってしまうので、成長を見込んで安いほうで十分です。キャンドゥには330円のマリンソックスもあり、こちらはメンズ24〜26cm、レディース22〜24cm、キッズ18〜20cmとサイズが細かく分かれたソックスタイプ。セリアはビーチサンダル中心で、マリンシューズの取り扱いは薄い印象です。
Amazonや専門店の本格品なら2,000〜3,000円しますが、年に数回しか履かないものにその金額を出す必要はありません。330円でも、砂を払えばそのままテントに入れますし、駐車場のアスファルトも水の中も履いたまま歩けます。この気楽さこそが本体です。
なお、先ほども触れたとおり、これは真っ先に売り切れる商品です。買うなら子供用から確保してください。


★★★ 日焼け止め[DAISO/110〜330円]石鹸で落とせるタイプもあります
海の日焼け止めは、とにかく減ります。泳ぐたびに落ちるので、家族四人で朝から夕方まで塗り直していると、ドラッグストアの千円台のものではもったいなくて手が止まる。その点、110円から330円で買えるダイソーのものは、遠慮なく厚塗りできるのが最大の利点です。
しかも安かろうというわけでもなく、日焼け止めジェル モイスト Dは15gで330円のSPF50・PA++++、UVカットミルクローションDは30gで330円のSPF50+・PA++++、いずれも日本製です。トーンアップタイプに至ってはSPF50+・PA++++が220円。子供に塗るなら、220円で石鹸で落とせるレモンユーカリの香りのタイプが楽で、帰宅後の風呂場で戦わずに済みます。



★★☆ 湯上がりタオルワンピース[DAISO/550円]巻きタオルの決定版
海の着替えは、どうしても人目が気になります。ボタンで留まる巻きタオルが一枚あるだけで、その気疲れがかなり減る。ダイソーの湯上がりタオルワンピースは550円のフリーサイズで、アームホールが付いているため肩からずり落ちません。水着の上から羽織ってしまえば、その中で着替えられます。
子供用の丈が短いラップタオルは、しまむらや西松屋のほうが柄とサイズの選択肢が豊富です。ただしそちらは1,320円から2,530円ほどしますので、大人の分はダイソーで済ませて、子供の分だけ好きな柄を買う、という配分が現実的でしょう。

★★☆ サングラス・UVカット帽子・接触冷感アームカバー[DAISO/110〜330円]
砂浜と水面の照り返しは、思っている以上に目にこたえます。とりあえずの一本でよければ、ダイソーのUV対策シリーズに110円から330円のサングラスが並んでいますので、壊れても惜しくない値段のものを人数分放り込んでおけば足ります。アクセサリーとして選びたい人には、ワークマンの880円のサングラスが12種類ほど展開されていて、値段のわりに安っぽく見えません。
意外に効くのが接触冷感のアームカバーで、これは泳いでいるときよりも、炭の前に立っているときと帰りの運転中に真価を発揮します。




② BBQの道具(簡易コンロで行く人)
簡易コンロで行くなら、買い足すものはごくわずかです。まずはそのコンロ本体から。
★★★ 簡易BBQコンロ[DAISO/330円・550円]使い捨てで割り切る
ここが今回いちばん書きたかったところです。
我が家はかつて、折りたたみ式の本格的なコンロを車に積んでいきました。火力は安定しますし、何度でも使えるので長い目で見れば安い。それは間違いありません。ただ、遊び終えた午後四時、まだ気温が三十五度ある砂浜で、炭を始末して、脂の固まった網をこすって、本体を冷ましてから車に積む。この工程が年々こたえるようになりました。子供がいれば、そのあいだ誰かが見ていなければなりませんし、洗い場が混んでいれば列に並ぶことになります。
いまは、使い捨ての簡易コンロだけを持っていきます。食べ終えたら炭が燃え尽きるのを待って、指定の場所に捨てるだけ。撤収にかかる時間がまるで違います。
ダイソーの簡易バーベキューセットは330円で、コンロ本体、スタンド、焼き網、炭が一式そろっています。21.5×27cmと小ぶりで、ステーキ肉を二枚も並べれば一杯になる大きさですから、ひとりかふたり向けです。同じダイソーの550円のものになると一回り以上大きくなり、こちらが家族連れの主力になります。
人数の目安は、パッケージの表記よりも少なめに見ておくのが安全です。私の実感では、こうなります。
- 500円クラスのコンロひとつで、およそ2人分
- 1,000円クラスのコンロひとつで、およそ3〜4人分
- 4人家族なら、1,000円クラスをひとつ、または500円クラスをふたつ
パッケージに「4〜5人用」と書かれていても、実際にその人数で囲むと焼き場の順番待ちが起きます。表記より一段少なめの人数で使うほうが、気分よく食べられるはずです。
1,000円クラスとしては、コーナンのBIGインスタントグリルが約1,000円で手に入ります。同じくらいの大きさのものはディスカウントスーパーにも並んでいますが、こうした商品は回転の悪い店に置かれていると炭が湿気を吸っていることがあり、着火剤をいくら足しても火がつかないという事態になりかねません。買うなら、人の出入りの多いメジャーな店を選んでください。
もうひとつ、簡易コンロには覚えておくべき制約が二つあります。ひとつは、炭が一時間持てばいいほうだということ。もうひとつは、しっかりしたコンロに比べて焼き上がりが明らかに遅いということです。つまり、大量に買い込んだ食材を一時間以内に、しかも遅い火力で焼き切らなければならない。第3章で食材の量について書きますが、その計算はすべてこの二点から逆算することになります。



★★★ 先の長い着火用ライター[DAISO/110円]簡易コンロならこれ一本
簡易コンロには、炭も着火剤も最初から入っています。ですから追加で買うのは、この先の長いライターだけで足ります。 着火剤も火バサミもうちわも、簡易コンロを使うぶんには要りません。ここを知らずに一式そろえてしまうと、袋を開けないまま来年の夏を迎えることになります。
ふつうのライターでも火はつきますが、コンロの底に沈んだ着火剤に手を伸ばすことになるので、指を炙りかねません。先が長いタイプなら、離れたところから何か所かに順に火を入れられます。110円です。



★★★ 食材用トング[DAISO・セリア/110円〜]先がギザギザのものを選ぶ
これは簡易コンロでも本格コンロでも必要になります。ただ、売り場には形の違うトングが何種類も並んでいて、選び方で使い勝手がずいぶん変わります。
まず、先がプラスチックのものは避けてください。 高熱に当たれば溶けます。当たり前の話なのですが、キッチン用の売り場から何気なく持ってくると、これをやってしまいます。
次に形。先が丸く広がったタイプでも使えますが、先がギザギザに尖っているタイプのほうが明らかに便利です。 小さな食材をつまみやすく、網に少し焦げついた肉も引きはがせる。おまけにウインナーの袋のようなものは、ハサミがなくても突き刺して破れます。先が丸いトングは、この「つかみにくいものをつかむ」場面で急に頼りなくなります。
長さは、コンロの大きさで決めてください。大きなBBQコンロを使うなら30cm以上の長いものが安心です。簡易コンロだから短くていいかというとそうでもなく、短いトングだと反対側の食材を取りに行くときに手が炭の真上を通ることになります。
焼きそばやトウモロコシのような大物を焼く予定があるなら、素直に二本用意してください。片方で押さえて片方でひっくり返す場面が必ず出てきます。



★★★ アルミたれ皿[DAISO/110円]チーズフォンデュができます
紙皿は、焼肉のタレに負けます。焼けた肉を三枚も乗せればふやけて、持ち上げた瞬間に手の上で折れる。屋外のテーブルは水平でないことも多く、そのまま砂の上にタレが流れます。
アルミのたれ皿なら縁が立っているのでタレも汁もこぼれませんし、そのまま火にかけられます。この「火にかけられる」という一点が、実は大きい。
我が家の定番は、これを使ったチーズフォンデュです。スーパーで300〜500円ほどのカマンベールチーズを買っておき、アルミたれ皿にそのまま入れて、白ワインを少々。ワインがなければビールでも、子供がいるなら牛乳や水でもかまいません。網の上に置いてしばらく待つと中が柔らかくなってくるので、割り箸でかき混ぜます。とろりとしたら、ウインナーやちぎったパンをつけるだけ。焼き物ばかりで飽きてきた頃に出すと、場の空気がわかりやすく変わります。


★★★ BBQプラスチックトレイ[DAISO/110円]テーブルの代わりになります
砂浜のBBQで地味に困るのが、置き場所です。テーブルを持っていくほどでもない、でも紙皿を砂の上に置くわけにもいかない。
そこで効くのが、100円ショップのプラスチックトレイです。仕切りのあるタイプなら片側にタレを入れておけますし、焼き上がった食材をコンロからまとめて引き取って、そのまま手に持って食べられます。紙コップを乗せる窪みがついているものもあり、持ち手の穴が開いたタイプなら片手で安定します。
これを人数分そろえておくと、テーブルがなくてもBBQが成立します。 グループで行くときほど効きます。110円ですから、人数分買っても数百円です。



★★★ 岩塩・スパイスミックス・粗挽き黒こしょう[DAISO/110円]
100円ショップの調味料コーナーは、ここ数年で明らかに充実しました。特に小瓶入りの岩塩やソルト系、スパイスミックスの品ぞろえが増えています。
肉にせよ魚介にせよ、下味があるかないかで満足度が変わります。どれかひとつだけ選ぶなら、粗挽き黒こしょうをおすすめします。味塩こしょうは万能ですが、粒の粗い黒こしょうのほうが焼いたときの香りの立ち方がはっきり違います。
そしてもうひとつ、岩塩やスパイスミックスのような、少し美味しそうな見た目のものを一本入れておいてください。これがあると、たれを使わないBBQという選択肢が開けます。 その話は第3章で詳しく書きます。
なお、自宅の調味料を持ち出すと、帰りに持って帰るのを忘れます。110円のものを買って、使い切って捨ててくるのが結局は楽です。



③ BBQの道具(本格コンロで行く人)
ここからの四つは、繰り返し使える大きなBBQコンロを持っていく場合に必要になる道具です。簡易コンロだけで行くなら、買っても出番がありません。
とはいえ、本格コンロが劣っているという話ではまったくなく、年に何度もBBQをするなら本格コンロのほうが結局は安上がりですし、火力も安定します。そして、その周辺の道具もほとんど100円ショップでそろうというのが、ここで伝えたいことです。
★★★ 着火剤[DAISO/110円]本格コンロを使う人だけ
着火剤は固形のものを選んでください。ウッドファイバーやパラフィンを固めた、木くずのブロックのようなあれです。カレールウのように手で割って、コンロの底に間隔をあけて並べるのがコツで、詰めて置くと空気が通らず、かえって火が回りません。



★★★ 炭[DAISO/110円〜]本格コンロを使う人だけ
100円ショップにも木炭が並んでいます。少人数なら、着火剤がしみ込んだブロック炭を選ぶと火起こしがぐっと楽になります。量が要るならホームセンターのほうが割安ですが、「とりあえず一回ぶん」ならここで足ります。



★★★ 火バサミ[DAISO/110円]本格コンロを使う人だけ
炭をつかむ道具と、食材をつかむ道具は分けてください。同じもので済ませると、炭の灰がそのまま肉に乗ります。
炭用には、ダイソーの万能火バサミトングが使いやすい。全長45cmの鉄製で滑り止めが付いており、この長さがあれば熱いコンロの奥にも手を突っ込まずに届きます。


★★★ BBQ用うちわ[DAISO/110円]本格コンロを使う人だけ
火を起こすときの送風には、専用のうちわを一本用意してください。祭りでもらったような紙のうちわを使うと、いい具合に火が回ってきたころに、うちわの縁のほうが先に焦げ始めます。
ダイソーには110円の折りたたみうちわもあり、こちらは荷物にならないので、火が落ち着いてからは自分をあおぐのに回せます。

無料でBBQができる海岸の様子については、西BBQエリアの現地レポートに現地の写真を載せています。炉やゴミの扱いは海岸ごとに違いますので、出かける前に一度目を通しておくと安心です。

④ 日陰と、居場所をつくる
砂浜に自分たちの陣地をどう作るか。ここが一日の快適さを決めます。今回いちばん推したいものも、この中にあります。
★★★ サンシェードテント[DAISO/1,000円(税込1,100円)]今回の主役です
ダイソーで1,000円(税込1,100円)のサンシェードテント。これが、私がここ数年でいちばん買ってよかったと思っているものです。
推す理由は単純で、設置も収納もとにかく簡単だからです。 広げれば形になり、畳めば小さくまとまる。そして畳んだときのかさばらなさが、想像よりずっと効きます。車の隙間にねじ込めますし、キャリーカートに積んでも他の荷物を圧迫しません。荷物を減らしたい家族連れにとって、この一点だけで買う価値があります。

使い方は二通りあります。
ひとつは、ドームテントの横に出すサブテントとして。 本体のテントは荷物置きと着替えに使い、こちらは子供の昼寝場所や、日陰で座って飲み物を飲む場所にする。テントの中は意外に人が詰まるもので、逃げ場がもうひとつあるだけで居心地がまるで違います。
もうひとつは、これ一枚で完結させる使い方。 プールに行く日や、着替えが必要ない日なら、正直これで足ります。男性だけで行くのなら、このサンシェードの中でさっさと海水パンツに履き替えてしまえば済む話です。
そして、これは私の見立てですが——着替えが必要ないメンバーで行くなら、「サンシェード+パラソル」の組み合わせが、これからの鉄板になるかもしれません。 サンシェードで荷物と休憩場所を確保して、パラソルの下に椅子を出して座る。テントを一張り持っていくより設営も撤収も速く、日陰の面積はむしろ広い。次の章で大きなワンタッチテントも紹介しますが、条件によっては、そちらを買わずに済むということです。
★★★ ペグ・砂袋[DAISO/110〜220円]これを忘れると飛びます
砂浜はペグが効きません。これは本当に効きません。
サンシェードもテントも、風をはらむと簡単に持ち上がります。海岸で、誰かの日よけがふわりと浮いて転がっていく光景は、シーズン中に何度も見かけます。人にぶつかれば事故ですし、そもそも自分の荷物が海に向かって走り出すのを追いかける羽目になります。
対策としていちばん現実的なのが、砂を詰めて重しにする袋です。ダイソーの土のう袋を流用すれば数百円で済みますし、現地の砂を詰めるだけなので行きの荷物は軽いまま。Amazonにはウェイトバッグとして売られている専用品もありますが、やっていることは同じです。
砂が締まっている場所なら、鉄製ペグも使えます。20cmで110円、30cmで220円。ペグマーカーが付いているものを選ぶと、うっかり蹴って転ぶ事故を減らせます。ダイソーにはシェード取付用固定セットというそのものずばりの商品もありますので、売り場で探してみてください。


★★★ レジャーシート[DAISO/110〜330円]テントの中に敷くものです
これは砂の上に広げてピクニックをするためのものではありません。テントやサンシェードの内側に敷くものです。
海水浴では、どれだけ足を洗っても、どれだけ砂を払っても、濡れた体と一緒に必ず水と砂が中に持ち込まれます。何もしていないテントの床は、昼過ぎには砂まみれのぬかるみのようになります。ここにシートを一枚敷いておくだけで、帰りは砂ごと持ち上げて外でバサッとやるだけで済む。テント本体を洗う手間がまるごと消えます。撤収の速さで言えば、これが効く場面はかなり大きい。
サンシェードに敷くときは、中の面積より少し大きめを選んで、3分の1から半分ほどを前にはみ出させてください。出入り口の外側に足を置ける場所があるかないかで、中に持ち込む砂の量が変わります。
サイズの目安は、ダイソーの売り場表記が分かりやすくて、1人なら60×90cm、2人で90×120cm、3人以上なら130×180cmあたり。3〜4人家族なら130×180cm前後を基準にして、あとはテントの大きさに合わせて選べば外しません。171×171cmのハトメ付き厚手マルチシートが330円、3畳サイズ(180×260cm)もあります。
そして大事なのは、ここに高いものを買う必要がまったくないということです。 110円から330円のもので充分ですし、1回きり、あるいは1シーズン使って捨ててしまってかまいません。我が家は帰ってから洗ってベランダに干していますが、それも100円から300円のものだからこそ気楽にやれる話です。
むしろ1,000円を超えるような厚手のレジャーシートは、海水浴には向きません。 敷き心地は確かにいいのですが、重くて嵩張るうえ、砂まみれ・水浸しになったものを畳んで持ち帰るのが本当に面倒です。あれは花見や運動会のためのものだと割り切ったほうがいい。



★★☆ 電動ファン[DAISO/330〜1,100円]テントの中が別世界になります
日陰に入っても、風がなければテントの中は蒸します。ここに小さなファンが一台あるだけで、体感がはっきり変わります。
ダイソーのラインナップは、電池式のスタンド付きが330円、充電式のミニ扇風機が770円、首振りタイプが1,100円といったところ。以前は手のひらサイズのものばかりでしたが、最近は据え置きで使えるサイズの大きめのファンも並ぶようになりました。 テントの中で使うなら、手で持つタイプより置いて放っておけるタイプのほうが断然使えます。
ひとつ提案しておきたいのが、モバイルバッテリーを予備電源として持っていくこと。充電式ファンの内蔵バッテリーだけだと朝から夕方までは持ちませんが、外部バッテリーをつないでおけば相当長い時間まわり続けます。最近はモバイルバッテリー自体がずいぶん安くなったので、大容量で薄型のものを一つ持っておくと海以外でも使えます。
ただし、ここだけは安さで選ばないでください。聞いたことのない海外メーカーの格安品は避けたほうが無難です。 発火事故の話は毎年出てきます。容量と重さとメーカーと価格のバランスは選ぶのが難しく、今回は個別の紹介はしませんが、信頼できるメーカーのものを選ぶという一点だけは守っておいてください。
なお、直射日光の下でファンを回しても熱風が来るだけです。これはあくまでテントやサンシェードの中で使う道具だと考えてください。首かけタイプや手持ちタイプも同じことが言えます。



★★★ 折りたたみイス[DAISO/220円・440円・550円]パラソルの下に置きます
ダイソーの折りたたみイスは、220円(19×18×23.5cm)、440円(28×25×21cm)、550円(32×39×38cm)と大きさが選べます。背もたれと収納袋が付いた550円のアウトドアチェア(幅32×奥行32×高さ55cm、座面高33cm、耐荷重50kg)もあります。
このイスの正しい置き場所は、パラソルの下です。
というのも、パラソルの影は動きます。午前中にパラソルの真下へきれいにレジャーシートを敷いても、午後3時になればその場所はもう日向です。当たり前の話ですが、現地で暑さにやられているとこれを忘れます。シートを敷き直すのは重くて面倒でも、イスなら影を追って持ち上げるだけで済む。
そしてもうひとつ、というよりこちらが本題なのですが、イスは濡れた体のまま座れます。 シートに濡れた水着で座れば砂がまとわりつき、次に座る人のために払う羽目になる。海から上がってきてそのまま腰かけられるという性質は、思っている以上に大きな差になります。濡れた水着の家族連れに、レジャーシートは向いていないのです。
近年の夏は、水分補給を「何度も」繰り返すことが鉄則です。泳ぐ、上がる、パラソルの下のイスに座る、冷えた飲み物を飲む、また泳ぐ。この往復を面倒なく回せる場所を作っておくことが、熱中症を防ぐいちばん現実的な方法だと思っています。イスがあるかないかで、この往復の回数が変わります。
サイズについては、プラ製の折りたたみイス220円~550円をおすすめします。ウォータータンクの台やテーブルにもなるし、ちょっとした踏み台にもなるのか強みです。腰を据えて長く座るなら550円以上の背もたれ付が快適です。



★★☆ レジャーテーブル[DAISO/550円・1,100円]イスとセットで効きます
イスを置いたら、その脇に小さなテーブルがあると格段に楽になります。飲みかけの缶を砂の上に置けば、次に手に取ったとき縁がざらつきます。おやつの袋も同じです。
ダイソーのレジャーテーブルは550円で、広げると55×62cm・高さ23cm、畳めば厚さ6cmの板になります。耐荷重は5kgなので重いものは載りませんが、飲み物とお菓子の置き場としては充分です。ドリンクホルダーが二つ付いた折りたたみテーブルテーブルも770円であります。
もう少ししっかりしたものが欲しければ、アルミテーブルが1,100円。アルミ製で高さが二段階に変えられ、収納バッグも付いてきます。BBQの作業台にするならこちらです。



⑤ 水と、持ち帰りのための道具
テントの中にシートを敷いたところで、砂と水は容赦なく入ってきます。それを少しでも減らすために、真水と持ち帰りの道具を用意します。ここを軽く見ていると、帰りの車の中が砂だらけになります。
★★★ 折りたたみウォータータンク[DAISO/330〜550円]容量を人に合わせて選ぶ
水場が近くにあっても、タンクは持っていったほうがいいです。
洗い場まで歩くのは、一度や二度なら何ということもありません。しかし炎天下の砂浜で、子供が「手が砂だらけ」と言うたびに往復するとなると、これが地味に効いてきます。テントのすぐ脇に真水があれば、汚れた手も、中に入る前の足も、その場で流せる。往復の回数が減るだけで疲労がまったく違います。
いまのダイソーは、この手のタンクが容量ごとにきれいにそろっています。
- 折りたたみポリタンク 約3.5L(コック付) 440円。幅22.5×奥行17×高さ10.5cmと小ぶりで、ブルーとグリーン
- 折りたたみポリタンク(黒、7.5L、コック付) 550円。蛇腹式で、使うときは22.5×27×25cm、畳めば厚さ12.5cm。本体は432g。持ち手と蛇口が付いていて、半透明なので残りが見えます
- 折りたたみウォータータンク 10L(丸型)330円。畳むと高さ7cmほど、約190g
- 折りたたみウォータータンク 20L(バンド付)550円。ショルダーベルト付きで、本体は約28×28×32cm
選ぶときの基準は容量ではなく、誰が水を汲むのかです。
10Lは満水で10kg、20Lなら20kg。大人が汲みに行くなら何ということもありませんが、子供に「水汲んできて」と頼むつもりなら重すぎます。その点、3.5Lなら小学生でもふらつかずに運べますし、7.5Lでも往復一回ぶんとしては現実的な重さです。子供が自分で運べる重さにしておくと、水汲みが「手伝い」として成立するというのは、地味ですが大きな違いです。何往復かしてもらえばいいだけの話ですから、無理に大きいものを選ぶ必要はありません。
3〜4人の家族なら、7.5Lをひとつ、あるいは3.5Lをふたつというあたりが扱いやすいと思います。
そして最後に、これだけは覚えておいてください。タンクは必ず日陰に置きます。
砂浜の直射日光の下にタンクを放置すると、中の水は数時間で湯になります。子供の足を洗おうとして熱い水が出てくるのは、なかなか悲しい。テントやサンシェードの陰、あるいはクーラーボックスの影でもかまいませんので、必ず日の当たらない場所に置いてください。ちなみに黒い7.5Lのタンクは本体の耐熱が60℃までとされていますから、なおのこと日向は避けたいところです。



★★★ メッシュバッグ・プールバッグ[DAISO/330円・550円]車を守るための袋
濡れた水着と、砂を噛んだマリンシューズ。これをどうやって持ち帰るかというのは、意外と誰も教えてくれない問題です。
ビニール袋に入れると、密閉されて中が蒸れます。夏場ですから、家に着くころには相応のにおいになっています。かといって剥き出しで積めば、車の中が砂だらけになる。
そこでメッシュバッグです。ダイソーのものは約34×44cm、マチ14cmほどのポリエステル製で330円。網目から砂が落ちて水も切れるので、持ち帰る途中で乾いていきます。積むときは下にゴミ袋を一枚敷いておけば、落ちた砂もまとめて処理できます。もっと容量が欲しければ15Lのプールバッグが550円。
子供の砂遊び道具も、同じ袋に放り込んで帰ればそれで済みます。バケツやスコップを一つずつ拭いて洗う作業から解放されるだけでも、買う価値があります。



★★☆ ソフトクーラーバッグ・保冷剤[DAISO/550円・110円]日帰りならこれで足りる日もある
次の章で、25L以上の本格的なクーラーボックスを紹介します。あれは食材とドリンクをまとめて運ぶための装備で、BBQをするなら必要になります。
ただ、BBQをしない日や、飲み物だけ冷やせればいい日なら、100円ショップのソフトクーラーで足りることも多いというのは書いておきたいところです。
ダイソーのソフトクーラーバッグは550円で、ボックス型のもの(底面がA4ほど)と縦型のもの(30×22×22cm、1Lのペットボトルが立つ、肩掛け可)があります。アルミソフトクーラーバッグ(1,100円)は33×22×25cmで、500mlのペットボトルが12本入る大きさ。もっと大きくてよければ、プラ取っ手の付いたアルミ保冷バッグが220円で49×48.5×20cmという大判です。
ただし、保冷剤との併用が前提だと考えてください。 これらのバッグ単体の保冷力は、そこまで強くありません。保冷剤は110円で買えますので、遠慮なく何個か入れておきます。
もう一つ、細かいながら効くのが、子供の飲み物だけを別の小さい保冷バッグに分けておくという手です。子供は何度も飲み物を取りに来ます。そのたびに大きいほうを開け閉めしていると、中の冷気が逃げて食材まで傷みやすくなる。小分けにしておけば、開ける回数そのものを減らせます。



⑥ 暑さと虫への備え
夏の100円ショップには、涼感グッズが壁一面に並びます。見ているだけで楽しいのですが、あの売り場のものが海で効くかというと、正直かなり選別が必要です。
理由は単純で、多くの涼感グッズは「街の暑さ」を想定して作られているからです。気温が高くても風があり、木陰があり、コンビニに逃げ込める場所での快適さ。砂浜はそのどれとも違います。地面から照り返しがあり、日陰は自分で作らねばならず、逃げ場がない。だから公園で絶大な効果を発揮したものが、海ではさっぱり働かないということが普通に起きます。
ここでは、買うべきものと、そうでもないものを分けて書きます。
★★★ 冷却スプレー[DAISO/220円]小さい子がいるなら2〜3本
ここ数年で100円ショップの定番になった冷却スプレーは、はっきりと当たりでした。小さい子供を連れていくなら、これは持っていってください。
ダイソーの冷却スプレー(ソープの香り、100mL)は220円。公式にも「強冷却」「メントール増量配合」と書かれているとおり、吹きつけた瞬間の冷え方がはっきり分かります。何より、その場で即座に効くというのが海では大きい。子供が暑さでぐずり始めたとき、テントに戻して座らせて、シュッとやるだけで一息つけます。熱中症の兆しが見えたときの応急手段としても、持っているのといないのとでは安心感が違います。
220円ですから、2〜3本まとめて買っておいてもいい。 家族で使い回すと一本はあっという間に減りますし、余っても来年使えます。
使い方には一点だけ注意があります。これは服やタオルの上から吹きつけるもので、素肌に直接浴びせる道具ではありません。公式の説明でも、服の上から10cmほど離して1〜2秒とされています。同じ場所に連続して3秒以上吹きつけると凍傷の恐れがあるとも明記されていますので、長押しはしないこと。そして海ならではの注意として、日焼けした肌の上には使わないでください。 メントール系のものは、赤くなった肌にはかなりの刺激になります。
なお、叩いて冷やす瞬間冷却パックも110円で売られていますが、私はあまり出番がありませんでした。冷える時間が一瞬で終わってしまい、砂浜の暑さには追いつきません。同じ110円を出すなら、他のものに回したほうがいいと思います。



★★☆ 冷感タオル[DAISO/110〜330円]ファンと組み合わせて初めて効く
濡らして振り回すと冷たくなる冷感タオル。ダイソーには110円のクールタオルスカーフなどが並んでいて、確かによくできた商品です。
ただ、これ単体では海ではほとんど効きません。 気化熱で冷やす仕組みですから、周囲の気温が高すぎると振っても振っても冷たくならない。公園や通勤路では覿面に効くのに、砂浜ではただの濡れたタオルになります。
では無駄かというとそうでもなく、使い道はあります。 濡らしたタオルで顔と首を拭いて、そのまま先ほどの電動ファンの風に当たる。これは効きます。拭いた水分が風で一気に飛ぶので、気化熱がきちんと仕事をしてくれる。テントに戻る、タオルで顔を拭く、ファンの前に座る。この三点セットで初めて価値が出ます。
同じ理由で、衣類用の冷感ミスト(220円)も砂浜では期待しすぎないほうがいいでしょう。あれも公園向きです。
そして、これは念のため書いておきます。薬剤の入った冷感ウェットティッシュの類は、海では避けてください。 一日中日差しを浴びた肌は、自分で思っているより傷んでいます。そこへメントールやアルコールの強いシートを当てるのは、かなり危険です。汗を拭くだけなら、ただの濡れタオルのほうが安全です。



★★☆ 大きめの扇子・折りたたみうちわ[DAISO/110円〜]電池が要らないという強み
意外に思われるかもしれませんが、砂浜でいちばん出番が多いのは、電池も充電も要らない扇子やうちわです。
110円の折りたたみうちわは荷物にならず、風の量は自分の腕次第でいくらでも増やせる。大きめの扇子も同じで、濡れた手で持っても壊れません。海で電子機器を扱うのは、砂と水の両方が敵になるので気を遣います。その点、扇子は何も気にしなくていい。
BBQの火起こしに使えるのも、地味ながらありがたいところです。一家に数本あって困るものではありません。



★☆☆ クールネックバンド[DAISO/550円]海では出番が少ない
ビーチ用品の売り場でいちばん目立つアイテムですが、海に関しては期待を下げておいたほうがいいと思います。
クールネックバンドは、28℃以下で自然に固まるPCM素材を使ったもので、ダイソーでは550円ほど。他メーカーの同種品が3,000円ほどすることを考えれば破格ではありますし、街で使うぶんには本当によくできています。ただ、海水浴では、現地に着いた頃にはもうぬるくなっています。 家を出て、車に乗って、駐車場から荷物を運んで。この間ずっと外気に触れているわけですから、砂浜に立った時点で仕事を終えている。クーラーボックスに入れて持っていくという手はありますが、そこまでするなら他のものを冷やしたいというのが正直なところです。

★★☆ 蚊取り線香・虫よけスプレー[DAISO/110円・550円]時期によっては必須
海だから虫はいない、と思っていると痛い目にあいます。夕方になって風がやむと、砂浜でも蚊は出ますし、松林や草地が近い海岸ならなおさらです。
ダイソーの蚊取線香(厚巻、4巻)は110円。公式にも「アウトドアに使える」と書かれている厚巻タイプで、通常のものより煙の量が多く、線香立ても付いています。屋外は煙が流れてしまうので、太いほうが安心です。特に幼児を連れているなら、これは必ず持っていってください。
持っていく場合は、蚊取線香ケース(220円)も買いましょう。
煙のにおいが苦手な人や、風が強くて線香が役に立たない日には、肌に塗る虫よけを併用します。ダイソーにはアース お肌の虫よけスプレー(エアゾール)180mLが550円で置かれていて、有効成分はディートが原液換算10%。ワンプッシュで部屋ごと処理するタイプの製品とは別物なので、売り場で間違えないようにしてください。



⑦ スマホ、貴重品、そして万一のための道具
★★☆ スマホ防水ケース[DAISO/110円~330円]信じきらないのが前提です
先に、いちばん大事なことを書きます。100円ショップの防水ケースを全面的に信頼するのは危険です。
商品として出来が悪いという話ではありません。ダイソーの水に浮くスマートフォン防水ケースは220円でIP68、首かけストラップ付き。検証記事を見ても、スマホを入れて水に沈めても開口部をきちんと閉じていれば内側に水は入らなかったと報告されています。ただし、あくまで簡易的な防水ケースなので長時間水中に沈めるのは避けたほうがいい、とも釘が刺されています。
私の実感でも、2〜3回に1度は浸水事故が起きるくらいのつもりでいるのがちょうどいい。 閉め方が甘かった、砂が挟まっていた、袋の縁に小さな穴が空いていた。原因は毎回ささいなことですが、結果として起きるのはスマホの水没という取り返しのつかない事故です。数万円の機械を220円の袋に託しているという事実は、頭の片隅に置いておいてください。
110円のものもありますが、220円との決定的な違いは水に浮くかどうかです。落としたときに沈まないというのは、それだけで捜索の成否が変わります。買うなら220円のほうを選んでください。



では、どう使うのが正解か。私の結論はこうです。海中で写真を撮りたいなら、そもそも防水機能のあるスマホかデジカメを使う。そのうえで、さらに防水ケースに入れる。 これくらいの二重構えでちょうどいい。近ごろのスマホは防水性能を持つものが多いので、その保険としてケースを使うという発想に切り替えると、気持ちがずいぶん楽になります。
そのうえで言うのですが、海の中で撮る写真は、本当に面白いです。 水質がAAクラスの海なら1m以上先まで見通せる透明度がありますから、水面下から見上げた子供の姿だとか、足元を横切る小魚だとか、普段のカメラロールにはまず入らない絵が撮れる。我が家が通っている林崎松江海岸もこの水質で、夏の記念写真は毎年ここで撮っています。しっかりしたケースが一つあるだけで、海の楽しみ方が一段増えるのは間違いありません。

★★★ 貴重品は首から下げる[DAISO/110〜220円]テントに財布を置かないこと
これは道具の話というより、心構えの話です。
テントの中に置いたカバンに財布を入れておくのは、絶対にやめてください。 海水浴場での盗難は、残念ながら日常茶飯事だと思っておいたほうがいい。家族全員が海に入っている十五分のあいだ、そのテントは無人です。ファスナーを閉めていようが、それは施錠ではありません。
対策は単純で、貴重品は身につけて泳ぐ。首から下げられる防水ポーチに、車の鍵と最小限の現金だけを入れておきます。ダイソーの防水ウエストポーチは220円で、IPX8相当。三段のジッパーを閉めて内側へ折り込み、面ファスナーで留める三重構造で、ストラップの長さを調節すれば斜めがけにも首かけにもできます。ただしパッケージには「水中では使用できない」と書かれていますので、水しぶきや浅瀬までと考えてください。ここでも過信は禁物です。
そしてもう一つ。大きな財布は、そもそも海に持っていかないでください。 カード類も現金も、あの日その海岸で必要になるものはごくわずかです。
おすすめは、100円ショップで海専用の小さな財布を用意しておくこと。 「防水財布」という名前の商品を探すより、ビニール製の小さなポーチやコインケースを財布として使うほうが手っ取り早いです。ダイソーならコインポーチが110円、クリアビニールポーチが220円ほど。中身が透けて見えるので、砂まみれの手でも探らずに済みます。ここに千円札を数枚と小銭だけ入れて出かければ、万一なくしても被害はその範囲で止まります。
車の鍵については、電子キーであれば水に濡らすと厄介です。ダイソーには窓付きのスマートキーケースが220円でありますので、これに入れてからポーチに放り込むと安心です。



★★★ 救急セット[DAISO+ドラッグストア/110円〜]
絆創膏やガーゼ、包帯、ピンセットは100円ショップでそろいます。ただし、薬はドラッグストアで買ってください。 絆創膏の類が110円なのに対して薬は一つ数百円から千円台になりますから、一式作るとそれなりの出費です。ただ、一度そろえてしまえば毎年使い回せます。入れ替えるのは期限のあるものだけで済みます。
海で多いのは、貝殻の縁や割れたガラス、放置された空き缶、岩場でつくる切り傷です。砂遊びや貝殻拾いで手を切ることもあれば、歩いていて足を切ることもある。どちらもあると思っておくのが正解です。
そして手当てで最優先なのは、砂と異物が残らないよう、きれいな水でよく洗うこと。 ここで効いてくるのが、先ほどのウォータータンクです。水道が遠い砂浜では、テントの脇の真水がそのまま救急用品として働きます。
「傷は消毒しないほうがいい」という話を聞いたことがあるかもしれません。あれは主にオキシドールやヨード系の強い薬と、きちんと洗い流せた浅い傷を前提にした議論です。マキロンのような市販の殺菌消毒薬(ベンザルコニウム塩化物系)は皮膚への刺激が弱く、常備薬として持っておいて問題ありません。ただし、血や汚れが付いたままだと殺菌の効きが落ちるとされています。 順番は必ず「洗う、それから消毒」。深い傷に広範囲へ塗り続けるような使い方は避けてください。
そのうえで、袋に入れておきたいものはこうなります。
- 防水タイプの絆創膏。普通のものは濡れれば数分で剥がれます
- 大判の絆創膏と包帯。貝殻やガラスの傷は、小さくても血がなかなか止まりません。出血は傷口を真上から直接圧迫して止めますので、押さえるガーゼとそれを留めるものが要ります
- ピンセット。砂に混じった破片やトゲを抜くのに使います
- 消毒液(マキロンタイプ)。今どきは消毒しないのが主流ですが、海で水道が近くにない場合は消毒しましょう。
- 鎮痛剤(子供用・大人用)。日差しに当たっていると、子供はかなりの確率で「頭が痛い」と言い出します。夏風邪をひくこともありますが、風邪薬までは要りません。運転して帰る大人の分も忘れずに。大人用と子供用は別物ですので、年齢に合ったものを用意し、用法用量を守ってください
- 目薬。理由ははっきりしないのですが、帰りの車で子供が「目が痛い」と言い出すことが本当に多い
入れ物は小さなポーチにまとめます。救急箱をそのまま海に持っていくわけにはいきません。ダイソーに「救急ポーチ」という商品があるわけではないので、トラベルコーナーか衛生用品コーナーで仕切り付きのポーチを探してください。110円から550円ほど。選ぶ基準は消毒液のボトルが入るかどうかです。絆創膏も薬も薄いので、実際にサイズを決めるのはこれです。



なお、クラゲだけは手順が違います。日本ライフセービング協会によれば、海水浴場でライフセーバーが行う応急手当のおよそ六割はクラゲ対応だそうです。刺されたら真水では洗わないでください。 未発射の毒針が刺激されて症状が悪化することがあるとされており、洗うなら海水で。触手が貼りついていればピンセットで静かに取り除きます。そして痛みの程度にかかわらずすぐ海から上がり、そのあとは医療機関を受診してください。刺されないためには肌の露出を減らすのがいちばんで、次章のラッシュガードがそのまま予防になります。
深い傷、血が止まらない、熱中症らしい症状。こうしたときは自己判断せず、監視所や海の家に申し出てください。無料の海岸だと監視員がいないこともありますので、出発前に最寄りの医療機関を調べておくと安心です。
★☆☆ LEDランタン[DAISO/550円]撤収が遅れたときの保険
正直に書くと、これは重要度の低いアイテムです。
日帰りの海水浴で、明かりが要るほど遅くまで残ることはあまりありません。ただ、BBQの片づけに手間取ったり、渋滞を避けようとしてゆっくりしていたりすると、気づけば手元が暗くなっていることがあります。そのときに一つあると、テントの畳み残しや落とし物を見つけられます。
ダイソーの36COBランタンは550円で最大250ルーメン。高さ18cmで、単3電池3本で動きます。無段階に調光できるLEDタッチランタンも550円です。あくまで保険ですから、なければないで済みます。持っていくなら予備の電池だけ忘れないでください。
⑧ 遊び道具は、ここで全部そろいます
ここまで装備の話ばかりしてきました。最後は遊び道具です。海で子供が実際に手に取るものは、そのほとんどが100円ショップでそろいますし、しかも十分に楽しめます。
★★★ 空気入れ[DAISO/110円〜]口で膨らませる時代は終わりました
浮き輪を口で膨らませようとして、砂浜に座り込んだまま息が上がった経験は誰にでもあると思います。あれは本当に徒労です。
ダイソーの空気入れ(ブラック)は、押しても引いても空気が入る両方向対応。足踏みペダルが付いていて、ホースは107cmあります。ノズルが二種類付属するので、浮き輪でもビーチボールでもそのまま使えます。もっと小さいものでよければ、足踏み式の空気ポンプが110円、ダブルアクションのエアポンプも110円で並んでいます。
家族で浮き輪を三つも四つも持っていくなら、これは真っ先にカゴへ入れてください。設営の最初と撤収の最後、二回とも時間が変わります。 空気を抜くときも、逆向きに使えば一瞬です。



★★☆ 浮き輪・アームリング[DAISO・ワッツ/110〜660円]小学生には腕に固定するタイプを
浮き輪は、子供用のリング(外径約51cm)が110円から。大人向けのリング(約71cm)やアヒル型(約46cm)が330円、ダイソーの大きめのもの(直径80cm・100cm)になると550〜660円です。ミニボート(縦約67×横約42cm)が440円というのもあります。
ここでひとつ推しておきたいのが、アームリング(330円)です。腕に通して膨らませるタイプの浮き具で、セリアには「アームヘルパー」という名前でも並んでいます。※ダイソーにはありません。Amazonで400~600円くらいであるので探してみてください。
理由は単純で、外れにくいから。 浮き輪は、子供が遊んでいるうちに体が抜けます。波に押されて手を離すこともある。その点、腕に固定するタイプなら、本人が外さないかぎり離れません。小学生が浅瀬で遊ぶぶんには、こちらのほうが安心して見ていられます。
もちろん、どちらであっても浮具は補助であって安全装置ではありません。子供から目を離さないことが前提です。
★★☆ 水鉄砲[DAISO/110〜770円]袋タンク式550円が本命
100円ショップの水鉄砲売り場は、この数年で完全に別物になりました。110円から550円まで、三十種類以上が並ぶ店もあります。
家族で撃ち合うなら、背負える袋タンク式(550円)が本命です。ペンギンやユニコーンのリュックのようなタンクを背負って撃つタイプで、水量が多く、小学生でも扱えます。飛距離は約6m。同じ550円で圧縮式のライフル型(全長約55cm、水約1.2L)やグレネードランチャー型(大容量1.8L)もあり、こちらは飛距離を求める子向けです。電動のものは770円。
そして意外なのが、110円のスプラッシュ水鉄砲です。水量こそ少ないものの、飛距離はパッケージ表記で4.5m、実測では約5mに達したというレビューがあり、550円級に迫ります。予備として、あるいは人数合わせとして数本買っておくには十分すぎる性能です。
★★☆ ゴーグル・シュノーケルセット[DAISO/110〜550円]浅瀬をのぞくだけなら十分
海の中をのぞきたがる子には、ゴーグルを一つ。ダイソーなら110円からあります。
もう少し本格的にやりたければ、マスクとスノーケルの2点セットが440〜550円。大人用と子供用があり、色もいくつか選べます。体験教室に申し込むことを思えば、驚くほど安く「海の中を見る」という体験ができます。
ただし注意が必要です。これらは潜水には使えない簡易品で、パッケージにもその旨が書かれています。あくまで顔をつけて浅瀬をのぞくためのもの。深く潜る、長く潜るといった使い方は想定されていません。フィンや本格的なマスクは命に関わる道具ですので、そこまでやるなら専門店で買ってください。
浅瀬をのぞくだけなら、110円のゴーグルでも驚くほど景色が変わります。透明度の高い海なら、足元を小魚が横切っていくのが見えるはずです。
★★☆ 砂遊びセット[DAISO/110〜330円]330円のセット物を一つ
ダイソーの砂遊びコーナーは、単品だけで四十種類以上あるといわれます。すながたセット110円、スコップ110円、くまで110円。眺めていると際限なく増えていきます。
ですが、330円のセット物を一つ買えば、小学生の砂遊びはそれで完結します。 バケツ、スコップ、型が一通り入っているので、単品を組み合わせるより早いし安い。迷う時間も節約できます。
細かい話をひとつだけ。バケツは、縁が内側に返っていないまっすぐな形のほうが使いやすいです。返しがあると砂と水がそこに溜まり、洗うときに面倒になります。セリアなどにこのタイプが置かれています。
★★★ ゴミ袋・S字フック[DAISO/各110円]最後に効いてくる二品
派手さはありませんが、この二つは必ず持っていってください。
ゴミ袋は、BBQのゴミを持ち帰るためだけのものではありません。濡れたものと乾いたものを分ける、砂だらけのシートを包む、車のトランクに敷いて荷物を載せる。使い道が次から次に出てきます。無料の海岸ではゴミの持ち帰りが原則ですから、大きめのものを多めに用意しておくと安心です。
S字フックは、テントのフレームやキャリーカートの持ち手に引っ掛けて使います。濡れたタオル、メッシュバッグ、ビニール袋。砂の上に置きたくないものを吊るしておける場所が一つあるだけで、テントの中がずいぶん片づきます。110円で二つも買っておけば足ります。
これで100円ショップでの買い物は終わりです。ここまでのものを一通りそろえても、合計は数千円といったところでしょう。次の章では、ここで買えなかったもの、あるいは買えても品質が足りないものだけを、ホームセンターとAmazon、そしてワークマンで補います。
第2章 100円ショップで買えないものだけ、ここで買う
ここから先は、100円ショップでは代わりが利かないものだけです。数は多くありません。逆に言えば、この章のものさえ押さえておけば、あとは全部110円で足りるということでもあります。
Amazonで買うときに、ひとつだけ覚えておいてほしいことがあります。「出荷元」ではなく「販売元」を見てください。 出荷元がAmazonになっていても、販売元が別の業者ということがあります。送料の扱いや対応が変わってきますので、注文前に一度確認する癖をつけておくと安心です。
★★★ キャリーカート・アウトドアワゴン[Amazon・ホームセンター・TEMU等/3,000〜18,000円]
無料の海岸は、駐車場から浜まで距離があることが多いものです。我が家が使う林崎松江海岸の西エリアも、空いていて居心地はいいのですが、松江駐車場から少し歩きます。荷物を抱えて往復するには、真夏の午前中の距離としてなかなかのものです。
では駐車場のすぐ前に降りられる海岸なら要らないかというと、そうでもありません。数十メートルでも、これは持っていきたい。 テント、クーラーボックス、水を入れたタンク、イス、食材。この量を一度に運べるかどうかで、設営前の消耗がまるで違います。近い海岸のほうがむしろ、往復せずに一発で運びきれる恩恵が大きいくらいです。
選ぶ条件は二つ。太い車輪であることと、耐荷重に余裕があること。
車輪の太さは砂浜では決定的で、細いタイヤは沈んで進まなくなります。砂浜で使うつもりなら、タイヤ幅8cm以上を目安にしてください。FIELDOORのワイルドマルチキャリー スマートタフは幅10cm、コールマンのアウトドアワゴンマックスは幅8.3cmのワイドタイヤを履いています。
耐荷重は100kg以上を。理由は「壊れるから」だけではありません。耐荷重の低いものは、荷物を積むと車体が歪んで動きが渋くなります。 そして寿命も短い。表記された耐荷重は上限であって、そこで常用する設計ではありませんから、一割か二割は余裕を見ておいたほうがタイヤもフレームも長持ちします。


そしてもうひとつ。小学校低学年の子供は、間違いなく乗りたがります。 これは覚悟しておいてください。荷物の上に子供が座ることを前提にすると、耐荷重の余裕がどれだけ効くかが分かるはずです。
相場ですが、ここは考え方が二つに分かれます。7,000円前後のコスパモデルを3年で使い潰すか、12,000円以上のものを10年使うか。 前者は当たれば安いのですが、正直なところ博打です。定番と呼ばれるところの実勢は12,000〜18,000円。FIELDOORのスマートタフロング(耐荷重150kg)が12,500円前後、コールマンのアウトドアワゴンが公式17,380円といったところで、良いものは年々値上がりしています。
賢いのは、買う前に狙いを定めておくこと。 良さそうなメーカーと型番を控えておいて、Amazonのプライムセールなどを待つ。通常12,000〜15,000円のものが8,000円程度になることもあります。今すぐ必要でないなら、待つ価値は十分にあります。
★★★ クーラーボックス[Amazon・ホームセンター・ドンキ等/1,000〜13,000円]
BBQをするなら避けて通れません。選ぶ順番はこうです。
まず、キャリーカートの荷台に載るサイズか。 これが最優先です。先にカートを決めて、そこから逆算してください。縦にしか積めないと上に何も置けませんが、横向きに寝かせて積めるサイズなら、テントやシートを重ねられます。運搬の効率がまるで違います。
容量は、3人以下なら15〜25L、4人以上なら30L以上が目安。4人家族の日帰りBBQなら25〜30Lで足ります。
ハンドルとキャスターは、条件付きです。 キャリーカートを持っているなら、正直なところ不要です。カートに載せてしまうのだから、キャスターは使いません。逆にカートがないなら、これは非常にありがたい装備になります。ただし、しっかりしたハンドルとキャスターが付いたモデルは値が張ります。ここは自分の装備構成で判断してください。
そして保冷性能。ここは値段が正直に出ます。キャリーカートと同じ構図で、3,000円級を3年で使い潰すか、1万円弱の良品を10年使うか。 ただしクーラーボックスの場合、安物は保冷力そのものが弱いという点を意識しておく必要があります。炎天下に置いた安物なら、一時間経たずに氷が溶けきることもあります。もちろん、クーラーボックスも日陰に置くのが前提です。定番どころでは、ダイワの25Lクラスが12,800円前後・約3.6kg。コールマン、キャプテンスタッグ、ホームセンターのオリジナル品と選択肢は幅広く、15Lクラスなら7,000円以下でも十分な保冷力のものがあります。
ひとつ、性能のいいものを使い始めると逆の悩みが出ます。凍らせたジュースやお茶が、夕方になっても解けない。 昼過ぎに飲もうと開けたらカチカチのままだった、という事態が起きます。この扱いにくさについては、第3章の飲み物のところでもう一度触れます。



予算がないなら、ここまで下げてしまってかまいません
ここまで一万円台の話をしてきましたが、これは「余裕があるなら」の話です。
正直に書きます。近年、良いキャリーカートもクーラーボックスも値上がりしました。子育て世帯にとって、海に一日行くために合計三万円を先に出せというのは、現実的な提案ではありません。
そこで、はっきり言い切っておきます。3,000〜5,000円のキャリーカートと、1,000〜3,000円のクーラーボックスでも、海水浴は十分に楽しめます。
というより、あるかないかの差のほうが圧倒的に大きい。 高性能なものと安物の差は、正直「快適さの差」です。一方、キャリーカートがある家とない家では、砂浜に着くまでの体力の消耗がまるきり違います。クーラーボックスがあるかないかは、昼過ぎに冷たい飲み物が残っているかどうかの差です。ここは性能の話ではありません。
具体的な選択肢を挙げておきます。
- キャリーカート:ドン・キホーテのプライベートブランドをはじめ、5,000円を切るものが各所にあります。TEMUのような海外通販でも、この価格帯は豊富です。ただし耐荷重は50kg程度のものが多いので、荷物専用と割り切ってください。 子供を乗せるのは無理です。それでも、荷物を一度に運べるというだけで役目は果たします
- クーラーボックス:ドンキのオリジナルブランドに14L・25L・35Lといったサイズ展開があります。もっと下げるなら、ホームセンターの発泡スチロール箱が500〜1,000円。中にビニール袋を敷いて保冷剤を入れれば、それで日帰りは持ちます。ダイソーにも150〜300円の発泡スチロール製があります
海外通販を使うなら、サイズ表記は疑ってかかってください。 届いたものが記載より一回り小さかった、というのはよくある話です。キャリーカートの荷台に載るかどうかを寸法で計算している場合、これは致命傷になりかねません。余裕を持ったサイズを選んでおくのが安全です。
そして最後に、これがいちばん言いたいことです。装備の値段は、その日の楽しさとほとんど関係ありません。 発泡スチロールの箱に氷とジュースを入れて、五千円のカートに積んで浜まで運んで、110円の水鉄砲で撃ち合う。それで子供は十分に喜びますし、写真もちゃんと残ります。良い道具は、あくまで大人が少し楽をするためのものです。
★★☆ ワンタッチテント[Amazon/6,000〜15,000円]レビュー数を見て選びます
先に断っておきます。ここで大きなワンタッチテントを推しているのは、着替えをする女性がいる家族連れを前提としているからです。
男性だけのグループなら、あるいは更衣室や海の家で着替える前提なら、大型テントの必要度は★が一つ下がります。 その場合は前章の1,000円サンシェードで十分ですし、そのほうが荷物も撤収も軽い。ここは自分たちの構成で判断してください。

そのうえで、買うと決めたなら。
かつては「安いテントは撤収で後悔する」と言い切れました。畳んで収納袋に戻すのが難しく、暑い砂浜で説明書と格闘する羽目になる。今でもその傾向はありますが、この数年で状況は変わりました。 安価な製品でも軽くて扱いやすいものが確実に増えています。約45秒で設営できるとうたうモデルもありますし、1万円台であれば選択肢は豊富です。
一方で、粗悪品もはっきり残っています。 骨組みのポールが簡単に折れる。テントを閉めるチャックがすぐ壊れる。この二つが典型的な壊れ方です。ポールは多くの製品でグラスファイバーが使われていますが、品質の差はそのまま耐久性に出ます。
見分け方として、いちばん実用的なのはレビュー数です。Amazonでも通販サイトでも、評価が高く、かつレビュー件数が桁違いに多いものは外れが少ない。 数十件ではなく、数百件から千件単位のレビューが付いているものを目安にしてください。少数のレビューしかない格安品は、そこが博打になります。
サイズは3〜4人用で6,000〜15,000円が現実的なところ。ひとつ注意しておくと、定員表記は額面どおりに受け取らないほうがいい。 底面200×150cm・高さ125cmで定員3名とされているモデルについて、快適に過ごせるのは大人2名までという評価が付いていたりします。簡易BBQコンロと同じで、表記より一段少ない人数で使うのが快適の目安です。
耐水圧は、フライで2000mm前後あれば十分。UVカット率97〜99%といった表記も、日陰の濃さに直結します。もう少し出せるなら、コールマンのスクリーンIGシェード+(210×180×120cm、約3kg、耐水圧約3,000mm、ダークルーム仕様)が希望価格9,980円で、日陰の濃さで選ぶならこのあたりです。
そして買うタイミング。Amazonの価格はシーズンで大きく動きます。 同じ商品が半年のあいだに3,731円から9,887円まで振れた記録もあります。買うならシーズンオフがベター。 来年も行くつもりなら、秋か冬に買っておくだけで数千円変わります。
なお、砂浜ではペグが効きません。前章で紹介した、砂を詰めるウェイトバッグを必ず併用してください。
★★☆ ビーチパラソル・パラソルスタンド[Amazon・ホームセンター/2,000〜5,000円]
パラソルは、テントより設営が速く、日陰の面積も広く取れます。前章で書いたとおり、着替えが要らないメンバーなら「サンシェード+パラソル」の組み合わせで完結します。
ただし、砂浜には向き不向きがあります。刺すだけで安定する浜もあれば、ほとんど刺さらない浜もある。 砂が締まっているか、粒が粗いか、下に石が入っているか。行ってみるまで分かりませんし、同じ海岸でも場所によって違います。
車で行くなら、パラソルスタンド(三脚)を用意しておくのが確実です。砂に刺さらなくても自立させられますし、風で倒れる不安もかなり減ります。かさばるので徒歩や電車では厳しいのですが、車なら積めます。

★★★ ラッシュガード[ワークマン/上980円・レギンス1,280円]日焼けもクラゲも防げます
長時間の海では、大人も子供もラッシュガードがあったほうがいい。日焼け止めを塗り直し続けるより確実ですし、前章で触れたとおり、肌の露出を減らすことはクラゲ対策としても有効です。
驚くのは値段です。ワークマンのUVカットラッシュガードは上が980円、レギンスが1,280円。 UVカットと吸水速乾を満たしてこの価格で、専門ブランド品の数分の一です。全身を覆いたければ、レディースクールUVフェイスガードパーカー1,500円や、クール撥水UVパーカショート1,900円をラッシュガード代わりにするという手もあります。
家族四人分そろえても、上下で一万円に届きません。日焼けで背中が真っ赤になって、その夜眠れなくなる。あれを一度でも経験した人なら、この投資は安いと感じるはずです。
★★☆ 水陸両用ショートパンツ[ワークマン/1,500円]そのまま帰れます
ワークマンの耐久撥水水陸両用ショートパンツは1,500円。リップストップ生地で内側にネットが付いているので、水着として使えて、そのまま街着にもなります。撥水・速乾なので、水から上がってしばらくすれば乾いている。キッズ版もありますので、親子でそろえられます。
同じ系統でパッカブルタイプ(股下10cm)が1,900円。畳んで小さくなるので、荷物を減らしたい人はこちらです。
ジップポケットが付いていますが、貴重品を入れたまま水に入るのはやめてください。 そこは前章で書いたとおり、首から下げる防水ポーチの仕事です。
★★☆ マリンシューズ(本格品)[ワークマン/980円・2,300円]見た目で選ぶ選択肢
先に正直なところを書くと、前章の330円で、機能は足ります。 昔のものと違って、いまの100円ショップのマリンシューズは何年も使えます。年に数回の海水浴なら、これで何の問題もありません。
では、なぜワークマンを挙げるのか。見た目です。
330円のものは、どうしても見るからに安っぽい。家族で行くぶんには誰も気にしませんが、学生同士のBBQや、友人グループでの海となると、そこが気になる人はいるはずです。その場合、ワークマンの水陸両用シューズ980円やベアマリンシューズ2,300円(M〜3L、速乾、中敷き取り外し可)は、コスパのいい選択肢になります。専門ブランドの本格品が2,000〜3,000円することを思えば、同じ価格帯で見た目も作りも上です。
岩場や磯で遊ぶ機会が多いなら、ソールの厚みとフィット感の差も効いてきます。牡蠣殻の付いた岩を歩くような場面での安心感は、やはり違います。
★★☆ 車の防水シートカバー[カインズ/各種]帰りの車を守る隠れた名品
意外に知られていませんが、これは効きます。
濡れた水着と砂だらけの子供を、そのまま車に乗せる。あの瞬間の抵抗感から解放してくれるのが、防水・撥水タイプのシートカバーです。カインズにはフロント用シートカバー 撥水タイプや、防水ドライブシート 後部座席用(裏面防水加工、水洗い可、ファスナー式)が並んでいます。かぶせるだけなので取り付けも簡単です。
選ぶときの注意が二つ。ひとつは、撥水タイプは完全防水ではないということ。ずぶ濡れの状態で座らせる前提なら、裏面が防水加工された後部座席用を選んでください。もうひとつは、サイドエアバッグ内蔵のシートには対応していない商品があるということ。ここは必ず確認してから買ってください。
★☆☆ 加圧式ポータブルシャワー[Amazon・ホームセンター/約2,000円]子供のために頑張るお父さん向け
正直に書きます。これは今回の記事の方向性からは、少し外れます。
荷物を減らして、酷暑の海を気軽に楽しもうという話をしてきたのに、水を入れたタンクとポンプを積むわけですから。これを持っていく余力があるなら、私なら本格的なBBQコンロを積みます。
ただ、面白い道具ではあります。タカギのアウトドアポンプ A-122は約2,000円で、市販のポリタンクにセットして二十回ほどポンピングするだけ。電池も電源も要らずにシャワーが出ます。ホースは1.5m。そして、小さい子供はまず間違いなく喜びます。
シャワー設備のない海岸、あるいは順番待ちの列ができる海岸で、子供の体から砂と塩を落としてから車に乗せられる。そのために一手間かけてやろうという人だけ、検討してください。
★☆☆ 余裕があれば買いたいもの
必需品ではありませんが、あると楽しい、あるいは楽になるものを短く並べておきます。
- 電動空気入れ(FLEXTAILGEAR Tiny Pump 2Xなど)。約100gの小型で風量180L/分、IP44。浮き輪を数分で膨らませられ、空気を抜くのにも使えます
- 本格防水スマホケース(JOTOのIPX8認定品など)。首掛けストラップ付きで最大7.0インチ対応、水深30m相当。100円ショップの220円ケースより信頼性は上ですが、前章で書いたとおり過信は禁物です
- 保冷缶ホルダー(サーモス JCB-352、1,650円)。350ml缶用の真空断熱ホルダーで約100g。炎天下でビールがぬるくならないというだけの道具ですが、その一点で価値があります
- 軽量アウトドアチェア(Moon Lenceの超軽量チェアなど、2,699〜2,799円)。約907gで耐荷重150kg。ヘリノックスのチェアワンが12,420円することを思えば破格です。砂浜では脚が沈むので、座面が低めのものを
- ペルチェ式ネッククーラー(サンコー ネッククーラーNeo TK-NECK2、5,980円)。外気温から最大マイナス15度。電源がある限り冷え続けますが、モバイルバッテリーの携行が前提になります
- 防水スピーカー(Anker Soundcore 2やJBL GO 4など、4,000〜7,700円)。BBQのBGM用。砂と水しぶきを考えるとIP67のものが安心です
第3章 食材は、前日か当日に
さて、ここからが楽しい買い物です。
道具は一度買えば何年も使えますが、食材は毎回ゼロから選び直し。しかも、その日の満足度をいちばん左右するのは、正直なところ道具ではなく食べ物のほうです。
買うタイミングは、前日の夕方に業務スーパーへ寄るのが理想。それが無理なら、当日の道中でコンビニやスーパーに立ち寄るでもかまいません。むしろ、そのくらい気楽でいい。業務スーパーでまとめ買いするのもいいし、道すがら買い足すのもあり。どちらか一方に決める必要はありません。
ただし、選び方には一本だけ筋を通してください。
前章までに書いたとおり、簡易コンロは火力が弱く、炭は一時間持てばいいほど。しかも大きなコンロに比べて焼き上がりが明らかに遅い。つまり、これから買うものはすべて「弱い火で、短時間で焼き切れるか」だけで判断します。 本格的なコンロを持っていく人とは、選ぶものが変わってきます。
そしてもうひとつ。子供は、昼食に時間をかけたがりません。 早く海に戻りたいのです。だから、みんなが満腹になる量は要りません。腹八分目でさっと切り上げて、遊びに戻す。これが今回の食材選びの、もうひとつの軸になります。
★★★ 味付き肉は、小さいパックで数種類[業務スーパー/各200〜600円]
まず肉。ここでの正解ははっきりしています。味付きの、たれに漬かったやつを、小さいパックで数種類。
味付きを選ぶ理由は二つ。現地でたれを塗る手間が消えることと、焼き上がりの香りが段違いにいいこと。 それだけで十分です。
そして「小さいパックで数種類」という点。ここが実は重要です。
500gで700円台の大きなパックを一つ買うより、300円台のものを何パックか買ったほうがいい。 理由は二つあって、まずクーラーボックスに収まりやすいこと。大きな平たいパックは、意外と詰めにくいのです。もう一つは、同じ味を延々と食べ続けなくて済むこと。
数は、他に何を持っていくかで決めます。焼き鳥やウインナーがあるなら肉は2パックで足りますが、肉だけで押し切るつもりなら2パックでは少ない。 4人家族なら、鶏を2パック、味付きのポークを1パック、といった具合に3種類でも4種類でもかまいません。
狙い目はこのあたりです。
- たれ付きの鶏もも肉(200〜400円)。牛肉は喜ばれますが、やはり高い。鶏ももはたれが染みやすく、意外なほど柔らかくて子供が食べやすい
- 味付きの厚切りポーク焼肉(400〜600円)。業務スーパーには「豚焼肉たれ漬け」のような、はじめから漬かっているものがあります
- 鶏もも肉の角切り(25〜30gほどの小さいもの)。一切れが小さいぶん火の通りが速く、簡易コンロには理想的
- ネギ塩タン(200円台)。薄切りなので網に引っ付きやすいのが難点ですが、はじめからネギ塩が絡んでいるものは安く、焼いたときの香りが群を抜いています。 食欲をそそるという一点で、多少の扱いにくさは帳消しです
そして、避けるべきものをはっきり書いておきます。
成形肉です。 サイコロステーキだけの話ではありません。焼肉用として売られている肉にも、たれ付きのハラミにも、成形肉はかなり紛れています。 特に「たれ付きハラミ」は安いのでつい手が伸びますが、あれは通常のハラミとはまったくの別物だと考えてください。
柔らかくて食べやすいので子供は喜びます。ただ、だからこそ避けたい。肉の味が分からない子に育ってしまいます。 少々高くついても、きちんとした肉を選んでやってください。ここは値段で妥協しないほうがいい場所です。
最後に焼き方を二つだけ。
たれ漬けの肉は、焦げやすい。 たれに含まれる糖分が肉より先に焦げるからで、強火に近づけると表面だけ真っ黒になります。簡易コンロは火力が弱いので幸い救われますが、炭が真っ盛りのうちは網の端で焼くくらいでちょうどいい。
そして焼く順番。塩味のものから始めて、たれ系、濃いソース系へと進めてください。逆をやると、濃い味のあとに塩味のものが物足りなく感じます。ネギ塩タンを先に、たれ漬けを後に。それだけで最後まで飽きません。
★☆☆ 少し贅沢をするなら、厚切りの牛ハラミ[スーパー/100gあたり298円ほど]
完全に贅沢枠ですが、書いておきたい。
たれの付いていない、厚切り(5〜7mmほど)の牛ハラミ。 これが、旨い。そのまま網に乗せて、両面に焼き色がついたら焼肉のたれにつけて食べる。柔らかくて噛み切りやすいので、子供も大喜びします。
ただし、必ず「たれの付いていない」ものを選んでください。 前述のとおり、たれ付きのハラミには成形肉が多く紛れています。安いほうに手が伸びる気持ちは分かりますが、あれは別の食べ物です。100gあたり298円ほどは覚悟が要りますが、四人で500gも買えば十分に主役が張れます。
学生同士や社会人のグループで行くなら、ここで少し見栄を張るのも悪くありません。ウインナーと鶏ももだけの卓に、ハラミが一皿加わるだけで場の格が上がります。

いっそ「タレなし」でやってみるという手
ここまでたれ付きの肉を勧めてきましたが、逆の手もあります。
前章で触れたとおり、100円ショップの調味料コーナーには岩塩やソルト系、スパイスミックスが充実してきました。これを使って、たれを一切持っていかないBBQ。 これが、案外いい。
理由は三つあります。
一つ、後始末が劇的に楽になること。 たれを使うと、手も体もベタベタになり、トングも皿もクーラーボックスの取っ手も、帰るころには何もかもが粘つきます。あの後始末は、軽装備で行こうという今回の方針とはっきり噛み合いません。塩だけなら、拭くものすらほとんど出ません。
二つ、焦げにくいこと。 前述のとおり、たれ漬けは糖分が先に焦げます。塩には、それがない。火加減が読みにくい簡易コンロとは、実は相性がいいのです。
三つ、素材の味が立つこと。 岩塩や味塩こしょうを振っただけで、肉も野菜もきちんと旨くなります。特に前項のハラミのような、たれのいらない肉には塩のほうがよく合います。
ただし、コツが一つ。「味塩」の白い小瓶だけを卓上に置くと、見た目が質素すぎて気分が上がりません。 これは本当です。岩塩やスパイスミックスのような、少し美味しそうな見た目のものを選んでください。それだけで、塩だけのBBQがちゃんとご馳走に見えます。
とはいえ、子供は基本的にたれが好きです。全部をたれなしにするのではなく、肉を2種類買って片方だけ塩、というくらいの折衷が現実的でしょう。焼く順番も、塩のものを先、たれのものを後。そうすれば、味が単調になることもありません。

★★★ 焼き鳥は「小さい串」を前日に[業務スーパー/30本1,058円ほど]
簡易コンロにとって、加熱済みの焼き鳥はかなり強い味方です。温めるだけで食べられるというのが、火力の弱いコンロにはありがたい。
ただし、条件が三つあります。
一つ、小さい串を選ぶこと。 同じ売り場に「ジャンボ」と名の付いた大きな串もありますが、あれは簡易コンロには向きません。特に330円の小さいコンロでは、中まで火が通る前に炭が落ちます。小さめの串が50本ほど入った箱があれば、それが最適解です。
二つ、前日に買っておくこと。 50本入りは、そのまま持っていくには多すぎます。前日に買って、1人3本程度を目安に小分けしてからクーラーボックスへ。他の肉もあるなら、それで十分です。残りは冷凍庫に戻しておけば、また次に使えます。
三つ、凍ったまま焼こうとしないこと。 これがいちばん大事かもしれません。簡易コンロの弱い火では、凍った肉はなかなか焼けません。 網の上でいつまでも白いままの串を眺めることになります。
当日に買うしかない場合は、10本や30本入りでも仕方ありませんが、凍っているならクーラーボックスから出して解凍しておいてください。 ただし炎天下です。出しておけるのはBBQの2時間前くらいが限界だと考えてください。それ以上は傷みます。
★★★ ウインナーは「あらびき」を、脇役として[スーパー・業務スーパー/300円前後]
定番ですが、ここには落とし穴が二つあります。
一つ、フランクフルト系は避けてください。
太いものは焼き上がるまでに時間がかかりすぎます。そして厄介なのは、その間コンロが占領されること。 網の一角に太いフランクが四本転がっていて、火が通るのを全員で待っている。これほど間の抜けた時間はありません。業務スーパーには串フランクや徳用フランクフルトが安く並んでいますが、今回はあえて外します。
二つ、安すぎるものは中身が読めません。 極端に安いフランクフルトは、成形肉と同じで何が入っているのか分かりにくい。子供に食べさせるものとしては、あまり気持ちのいいものではありません。その意味では、後述する魚肉ソーセージのほうが原材料表示がはっきりしていて、よほど安心です。
選ぶなら普通サイズのあらびきウインナー。それでも多少は待たされますから、肉を焼くついでに、脇に2本ずつ乗せておくくらいの扱いがちょうどいい。主役ではなく、常に脇で転がしておく脇役です。
★★☆ 野菜は「切ってある」ものを[スーパー・業務スーパー/100〜300円]
現地で包丁を使わない。これは絶対条件です。まな板を出して、切って、洗って。砂浜でやることではありません。
- キノコ。シイタケは石づきを落とすだけ、エリンギは手で裂けます。焦げにくく、肉ばかりの合間に食べるとちょうどいい
- ざく切りの袋入りキャベツ(100〜200円)。洗う必要も切る必要もなく、そのまま網に広げるか、焼けた肉を包んで食べる
- トウモロコシは、生を持っていかないでください。 生から焼くと、簡易コンロでは延々と待つことになります。業務スーパーには軸付きのスイートコーンで加熱済み・そのまま食べられるものがあります。BBQ用に3分割されたものも売られていますが、丸ごとしかなければ自宅で3〜5分割に切ってから持っていく。温まって少し焦げ目がつくだけで、これが最高に旨い
★★☆ ちくわ・魚肉ソーセージ・厚切りハム[スーパー/各100〜300円]安物ほど化けます
半分冗談のような話ですが、本当に効きます。
安いちくわを、そのまま網に乗せてみてください。 表面が少し膨らんで焼き色がついたところで齧ると、これが妙に旨い。魚肉ソーセージも同じで、フィルムを剥いて転がすだけで別の食べ物になります。どちらも火の通りを気にしなくていいのが利点ですし、原材料表示が明確なので子供にも安心して出せます。
個人的な一押しは、厚切りのハム。ただし焼肉の肉くらいのサイズのものを選んでください。ステーキのような大判のハムでは火の通りが遅く、切り分けて食べるのも面倒です。一口で食べられる大きさのものを両面さっと炙るだけで、驚くほど旨くなります。
好みは分かれます。ただ、どれも一パック百円台で、失敗がなく、余っても翌日の弁当に回せます。
前章のアルミたれ皿でのチーズフォンデュも、この流れによく合います。業務スーパーにはカマンベールチーズもありますので、一つ買っておくだけです。
★★★ 主食は、おにぎりを1人1個ずつ[業務スーパー・スーパー]
手軽な構成の完成形は、たれ付きの肉とウインナー程度に、おにぎりを1人1個。
以前は多めに用意していましたが、BBQをしながらおにぎり2個は、小学生には多すぎます。 肉を焼いて食べたうえに二つ、というのは大人でもきつい。結果として余らせ、持ち帰ることになります。1人1個で十分です。
そして、コンビニで買う必要はありません。 あの三角の形のものが要るだけで、業務スーパーやスーパーの棚にあるもので足ります。コンビニのおにぎりは具が豊富で美味しいのですが、そのぶん高い。そもそも、コンロで肉を焼くのです。 具は梅かかつおで十分ですし、むしろ塩むすびがいちばん旨いという説もあるくらいで、脂の乗った肉の合間に食べるならそのほうが理にかなっています。
万が一足りなかったときのために、小さく切られたパック入りのサンドイッチを一つ添えておくと安心です。私はこれもよく買っていきます。片手で食べられて、子供が食べ残しても崩れず、余っても帰りの車で消えます。
★★★ クーラーボックスに、冷たいおやつを[スーパー・コンビニ/各100〜400円]
これが、この章でいちばん伝えたいことかもしれません。
BBQで満腹にさせないでください。 そして、その代わりに、冷やしたおやつを仕込んでおいてください。
理由を説明します。BBQで腹いっぱいになった子供は、そのあとの休憩時間に飲み物しか口にしません。これが、実はよくない。炎天下では、水分だけでなく糖分も一緒に入れてやりたいところです。腹八分目で切り上げておけば、休憩のたびに冷たい甘いものを食べてくれます。冷たいものを口に入れる回数が増えるだけで、体はずいぶん楽になります。
そして単純に、海で食べる冷たい甘味は最高に旨い。 ひと泳ぎしてテントに戻り、日陰で汗が引くのを待ちながら食べる。あれは大人でも嬉しいものです。
仕込むなら、こういうものです。
- 果物は、皮をむいて一口大に切って持っていく。 できれば使い捨ての容器に入れて、クーラーボックスへ。現地で剥く必要も切る必要もなく、手も汚れません
- シュークリーム。コンビニの100円ほどのもので十分です。冷やしておくと、おやつとして完璧に働きます
- わらび餅やみたらし団子のような和菓子。冷やすと締まって食べやすく、串や楊枝があれば手も汚れません
- 半解凍でも食べられるチーズケーキやプリン。業務スーパーには「半解凍でも」とうたわれたスフレチーズケーキがあります
逆に、やってはいけないのが冷凍みかんと冷凍バナナです。保冷剤代わりになって一石二鳥に思えるのですが、性能のいいクーラーボックスに入れておくと、昼になってもカチコチのまま食べられません。 かといって解けたら解けたで、水っぽくてぐちょぐちょになり、見た目もよろしくない。私は食べたくありません。よく紹介される手ですが、これはかなり失敗しやすい部類です。
そしてもうひとつ、子供が確実に喜ぶ切り札を。焼きマシュマロです。業務スーパーには大きめのマシュマロがあり、串に刺してさっと炙るだけで外はサクサク、中はとろとろになります。焼き時間が数十秒というのが、簡易コンロには何より大きい。炭が落ちかけた最後の残り火でこれをやって締めると、きれいな終わり方になります。
★★★ 飲み物は、多すぎるくらいで[スーパー・コンビニ]
足りなくなって困るのは、食べ物ではなく飲み物です。
基本はお茶とスポーツドリンク。汗をかいた体にはスポーツドリンクのほうがすっと入りますし、子供も飲んでくれます。
よく紹介される手に「凍らせたペットボトルを保冷剤代わりに」というのがありますが、私はあまりおすすめしません。 前章で書いたとおり、性能のいいクーラーボックスに入れておくと昼になっても凍ったままで飲めませんし、かといって外に出しておけば昼過ぎには温くなっています。このタイミングを当てるのが、思いのほか難しい。 素直に冷えたものを買って、保冷剤で冷やすほうが確実です。
塩分は、スナック菓子で足ります。前章で紹介したレジャーテーブルに袋を広げておいて、上がってくるたびにつまむ。この形をつくっておくと、家族が自然に補給してくれます。
パラソルの下にイス、その脇にテーブル、テーブルの上に冷えた飲み物とスナック、クーラーボックスの中に冷たいおやつ。 この配置さえ最初に作っておけば、あとは体が勝手に往復します。
★☆☆ ビールは、飲まない人がハンドルを握るなら[スーパー・コンビニ]
さて、ここまで書いてきて触れていなかった話をします。お酒です。
海でBBQをして、冷えたビールを一本。これは社会人にとって最大のご褒美のひとつでしょう。私も否定しません。
ただし、条件がはっきりしています。自分が運転しないこと。 帰りの車を配偶者が運転する、あるいは電車で来ている。この場合に限り、クーラーボックスにビールや酎ハイを忍ばせておくのは愛嬌のうちです。
そのうえで、深酒は絶対に禁止です。
午後も子供と海に入るつもりなら、個人差はありますが1〜2本までにしておくのが無難でしょう。そして、これだけは守ってください。飲んだら泳がない。 そして、子供を見ている大人のうち少なくとも一人は、必ず素面でいる。
海は、酔った判断がそのまま命に直結する場所です。自分で完全に自制できる自信がないなら、飲まないという選択がいちばんいい。ここは自己責任の領域です。
そのルールが守れる人にとってなら、砂浜で飲む一本は、間違いなくその夏いちばんの一杯になります。
食材の量は、こう決めます
最後に、量の話です。ここだけは冷静に。
あなたに与えられているのは、弱い火で焼ける、正味一時間弱です。そして、子供は早く海に戻りたがっています。
スーパーで買い物をしていると気分が大きくなって、肉を二パック、三パックと入れたくなります。あれは危険です。焼き切れなかった肉を、炎天下を往復させて持ち帰ることになりますし、それ以上に厄介なのは、余った食材を前にして「もっと食べなさい」と言い出してしまうこと。 昭和の親父のようなあの一言で、子供のテンションは確実に下がります。
食材が余るのが、いちばんつらい。 これは覚えておいてください。
4人家族なら、目安はこのくらいです。
- 味付きの肉 300円台を2パック
- 小さい焼き鳥、または普通サイズのウインナーを1パック
- キノコと袋入りキャベツを各1袋
- ちくわか魚肉ソーセージを1パック
- おにぎり、またはサンドイッチを人数×1個
- 冷たいおやつ
少ないと感じるかもしれません。でも、炭が落ちるころにちょうど食べ終わっていて、子供が「もう行っていい?」と言い出す。 それがいちばんいい終わり方です。足りなければ、帰りにコンビニへ寄ればいいだけの話です。
焼き切れる量だけ買う。残さない。持ち帰らない。それがそのまま、撤収の速さになります。
まとめ 軽装備で、回数を増やす
長い買い物リストになりました。最後に、この記事を貫いていた考え方をもう一度だけ書いておきます。
大きなBBQコンロと大きなテントがあったほうが快適なのは、まったくそのとおりです。 火力は安定するし、テントは広いほど涼しい。それは間違いありません。
それでも私が、使い捨ての簡易コンロと1,000円のサンシェードを勧めるのは、装備の等級を下げると、海へ行く回数が増えるからです。
炭を始末して、コンロを洗って、テントを畳んで収納袋に戻す。あの一連の作業を炎天下の砂浜でやりきったあと、「来週もまた行こう」とは、なかなか思えません。片づけが十五分で終わるなら、話は変わります。子供が「また海行きたい」と言ったときに、「じゃあ日曜に行くか」と答えられる。
そのために、あえて荷物を減らす。 これが、この記事でいちばん言いたかったことです。
装備は、着替えの有無で決まります
もうひとつ、判断の分かれ道を整理しておきます。
着替えをする人がいるなら、大型のワンタッチテントを。 これは必要経費です。6,000〜15,000円かかりますが、代わりになるものがありません。
着替えが要らないなら、1,000円のサンシェードとパラソルで十分。 むしろそのほうが、設営も撤収も速く、日陰の面積は広い。男性だけのグループなら、サンシェードの中でさっさと海水パンツに履き替えてしまえば済む話です。
そして、余裕があるならテント、サンシェード、パラソルの三点がフル装備です。テントを本陣にして、横にサンシェードをサブとして出し、その前にパラソルを立てて椅子を置く。日陰が三段構えになると、家族の逃げ場が増えて、一日の疲れ方がまるで違います。
ただし、そこまで持っていくならクーラーボックスも合わせて運ぶことになります。 だからこそのキャリーカートです。この記事でキャリーカートを★★★にしているのは、まさにこの構成を前提にしているから。荷物を減らすという話と矛盾するようですが、減らすのはコンロとテントの「等級」であって、日陰の枚数ではありません。 撤収に時間がかかるものを削り、広げるだけで済むものは足す。これが今回の考え方です。
そして、まずダイソーへ
もう一度だけ、順番の話を。
いきなりホームセンターやAmazonへ行くと、けっこうな金額がかかります。 そして数日後、たまたま寄ったダイソーで同じものが110円で吊り下がっているのを見つけて、静かに落ち込む。あの悔しさは金額以上に長く尾を引きます。
まず100円ショップをひと回りする。そこで買えなかったものだけを、後から補う。それだけです。
レジャーの前に100円ショップへ行くというのは、道具を安く揃えるための小技ではなく、レジャーをよく楽しむ家庭の習慣のひとつだと思っています。備えあれば憂いなし。何かを始めるときは、まずダイソー。
明石周辺で行き先を決めかねているなら、明石のBBQスポット比較に、駐車場からの距離や設備の違いをまとめてあります。装備の構成は、行く場所によっても変わってきますので。
買い物チェックリスト
スマホでこのまま店を回れるように、一覧にしておきます。価格はすべて税込です。
100円ショップは、チェーンよりも店舗の規模で品揃えが変わります。 以下はダイソーの大型店ならほぼ揃いますが、セリア、キャンドゥ、ワッツでも大型店なら大半が見つかります。近所に大きな店がなければ、2〜3店舗を回る前提で。
100円ショップ(週末に、できれば大型店へ)
| アイテム | 買う店 | 価格の目安 |
| マリンシューズ/アクアシューズ | 100円ショップ | 330円・550円 |
| 日焼け止め | 100円ショップ | 110〜330円 |
| 湯上がりタオルワンピース | 100円ショップ | 550円 |
| サングラス・UVカット帽子 | 100円ショップ | 110〜330円 |
| 簡易BBQコンロ | 100円ショップ | 330円・550円 |
| 先の長い着火用ライター | 100円ショップ | 110円 |
| 食材用トング(先がギザギザのもの) | 100円ショップ | 110円〜 |
| アルミたれ皿 | 100円ショップ | 110円 |
| BBQプラスチックトレイ(人数分) | 100円ショップ | 110円 |
| 岩塩・スパイスミックス・粗挽き黒こしょう | 100円ショップ | 110円 |
| 蚊取り線香(厚巻) | 100円ショップ | 110円 |
| 虫よけスプレー(肌用) | 100円ショップ | 550円 |
| サンシェードテント | 100円ショップ(DAISO) | 1,100円 |
| ペグ・土のう袋(砂の重し) | 100円ショップ | 110〜220円 |
| レジャーシート(テント内に敷く) | 100円ショップ | 110〜330円 |
| 電動ファン(据え置きサイズ) | 100円ショップ | 330〜1,100円 |
| 折りたたみイス | 100円ショップ | 220〜550円 |
| レジャーテーブル | 100円ショップ | 550円・1,100円 |
| 折りたたみウォータータンク | 100円ショップ | 330〜550円 |
| メッシュバッグ・プールバッグ | 100円ショップ | 330円・550円 |
| ソフトクーラーバッグ・保冷剤 | 100円ショップ | 550円・110円 |
| 冷却スプレー(2〜3本) | 100円ショップ | 220円 |
| 冷感タオル | 100円ショップ | 110〜330円 |
| 折りたたみうちわ・扇子 | 100円ショップ | 110円〜 |
| 水に浮くスマホ防水ケース | 100円ショップ | 220円 |
| 防水ポーチ(首かけ用) | 100円ショップ | 220円 |
| 海用の小さい財布(ビニールポーチ) | 100円ショップ | 110〜220円 |
| 絆創膏・ガーゼ・包帯・ピンセット | 100円ショップ | 110円〜 |
| 救急用の小分けポーチ | 100円ショップ | 110〜550円 |
| LEDランタン | 100円ショップ | 550円 |
| 空気入れ | 100円ショップ | 110円〜 |
| 浮き輪・アームリング | 100円ショップ | 110〜660円 |
| 水鉄砲(袋タンク式) | 100円ショップ | 110〜770円 |
| ゴーグル・シュノーケルセット | 100円ショップ | 110〜550円 |
| 砂遊びセット | 100円ショップ | 330円 |
| ゴミ袋(大きめ・多めに) | 100円ショップ | 110円 |
| S字フック | 100円ショップ | 110円 |
本格的なBBQコンロを持っていく人だけ
| アイテム | 買う店 | 価格の目安 |
| 固形着火剤 | 100円ショップ | 110円 |
| 炭 | 100円ショップ | 110円〜 |
| 火バサミ(45cm) | 100円ショップ | 110円 |
| BBQ用うちわ | 100円ショップ | 110円 |
ホームセンター・Amazon・ワークマン(注文は今すぐ)
| アイテム | 買う店 | 価格の目安 |
| キャリーカート | Amazon・ホームセンター・TEMU等 | 3,000〜18,000円 |
| クーラーボックス | Amazon・ホームセンター・ドンキ等 | 1,000〜13,000円 |
| ワンタッチテント(着替えが必要なら) | Amazon | 6,000〜15,000円 |
| ビーチパラソル | Amazon・ホームセンター | 2,000〜5,000円 |
| パラソルスタンド(三脚) | Amazon・ホームセンター | — |
| ラッシュガード(上) | ワークマン | 980円 |
| ラッシュガード(レギンス) | ワークマン | 1,280円 |
| 水陸両用ショートパンツ | ワークマン | 1,500円 |
| マリンシューズ(見た目重視なら) | ワークマン | 980円・2,300円 |
| 車の防水シートカバー | カインズ | — |
| 鎮痛剤(子供用・大人用)・目薬・消毒液 | ドラッグストア | — |
食材(前日、または当日の道中で)
| アイテム | 買う店 | 価格の目安 |
| 味付き肉(小さいパックで数種類) | 業務スーパー・スーパー | 各200〜600円 |
| 厚切り牛ハラミ(贅沢枠・たれなし) | スーパー | 100gあたり298円ほど |
| 焼き鳥(小さい串・前日購入) | 業務スーパー | 30本1,058円ほど |
| あらびきウインナー | スーパー・業務スーパー | 300円前後 |
| キノコ(シイタケ・エリンギ) | スーパー | 100〜300円 |
| 袋入りカットキャベツ | スーパー | 100〜200円 |
| 加熱済みトウモロコシ(分割する) | 業務スーパー | — |
| ちくわ・魚肉ソーセージ・厚切りハム | スーパー | 各100〜300円 |
| おにぎり(1人1個) | 業務スーパー・スーパー | — |
| パック入りサンドイッチ | スーパー・コンビニ | — |
| 冷たいおやつ(切った果物・シュークリーム等) | スーパー・コンビニ | 各100〜400円 |
| お茶・スポーツドリンク(多めに) | スーパー・コンビニ | — |
| スナック菓子(塩分補給用) | スーパー・コンビニ | — |
| カマンベールチーズ(チーズフォンデュ用) | 業務スーパー | — |
| マシュマロ | 業務スーパー・スーパー | — |
さて、リストは以上です。
来週の海に向けて、まずは大物をひとつ注文して、週末にダイソーへ行く。それだけで、当日の朝はずいぶん楽になっているはずです。
いい夏を。
※本記事の価格・在庫は2026年7月時点のものです。店舗や時期、地域によって変動しますので、実際の売り場でご確認ください。特に海水浴グッズは季節商品ですので、時期を過ぎると取り扱いが終了する場合があります。









