その6。毎日、同じことの繰り返し

哲学
その6。最近はみな出世よりWLBだ。給与より休日だと主張する。けれどそういう者は朝起きて出社して、勤務を終えて帰宅する。夕食・風呂を済ませて就寝し、そして朝起きて出社してをエンドレス。唯一の興味は課金ガチャ。そんなニヒリズムの住人だと気づくべきだ。まずは己を知る事が必要なのだから。
正太
正太

最近の若者は出世して沢山の給料を稼ぐんだ!って意欲を持っている人が減ってきているといいますね。それよりも休日が多くて自分の趣味や家族と過ごす時間が多い方が幸せだと。

クラウディア
クラウディア

そうね。お金をたくさん稼ぐより余暇を楽しむ幸せ。いわゆるワークライフバランス(WLB)を重んじる風に文化的に成長してきたと言うべきでしょうね。
戦後で社会が貧しかった頃と違って、ゆとりが出てきた現在ではそこそこ働けば食べていく事がは出来る、それならば人生を豊かにするためには何が必要なのかを考える人が増えてきたのね。

正太
正太

けれどまだ、仕事だけを第一に考えて生きてる人も多いですよね。

毎日同じ時間に起きて身支度を整える。変わらぬ時刻表の電車に乗って通勤し、数分たがわず同じ時刻にタイムカードを打刻・・・同じ仕事をして夜遅くに帰宅。夕食と風呂を済ませて、当然のように毎日と同じ時刻に就寝。

この日々の繰り返しが、出世をすれば給料が増えるけれど、さらに過密なスケジュールを強いられて・・・

クラウディア
クラウディア

仕事に疲れて休日はだらだら過ごすだけ。趣味を作る心の余裕がないので普段はスマホゲームを隙間時間にポチポチやるのが唯一の趣味。それもエンドレスなレベルアップ作業や課金ガチャの繰り返し・・・。友達と飲みに行くのも億劫になって、居留守を使っているうちに誘われなくなり…

正太
正太

ほんと、心や体を病む若い子も多いとか・・・

そうやって年老いていく日々の繰り返し。いったい自分は子供の頃、何のために必死に勉強したのだろうか?いや、それどころか何のために産まれ生きているのだろうか・・・

クラウディア
クラウディア

だ、ダメよ正太君!

そういった無価値の自分、日々の繰り返しや人生に意味がないって状態を「ニヒリズム」に陥るっていうのよ。

いったんそこの堕ちてしまうと、あらゆる行動の価値観を見失いすべてのやる気が無くなり、自分自身の存在意義さえ否定してしまう虚無主義の住人になってしまうわよ。その住人のことを「末人」と呼ぶんだってニーチェも言ってるわ。

正太
正太

だって・・・自分をふくめ多くの人が生きて、そして死んでいくこの世の中。自分の行動がなにか影響を与えるわけもなく。頑張って生活する意味なんてあるんでしょうか・・・

クラウディア
クラウディア

まずはそれでいいのよ。

ニヒリズムに陥りかけた場合は、とりあえず「物事の意義や価値は存在しない、自分自身の存在を含めてすべてが無価値だ」って認識をまずは受け入れる事。1度「すべてどうでもいい」って根底から見つめなおすのがいいわね。

正太
正太

昔は宗教が人生の価値を定義してくれていたそうですね。たとえばとある宗教では、現世での行動の意味は死後の世界にこそあるのだ!とか、最後の審判で人生の価値を判定してくれる!とか・・・けれど、僕たちは無信教なんですよね。

クラウディア
クラウディア

そうね、ニーチェの言葉に従うなら、ニヒリズムから抜け出すには自分自身で活きる価値を見つけ出さなければならないのよ。己がそこに存在している事を認識し、それから自立して動き出すことが必要なのよ。誰かに言われるままに行動したり、世間体ばかり気にして自分を合わせるのではなく「自分で判断して決める」事。そして生活の中での一つ一つの役回りや行動、そういった自分がかかわる物事の価値や基準、目標や意味を自身で決めてそれを守っていく事よ。

「神は死んだ」で有名なニーチェ。彼のこの言葉は従来のキリスト教を否定した。
 神はいないので、死後の世界もない。だからいくら神に祈ってもいつまでたっても救いは来ないというのだ。

この世のあらゆる事象はすべて無価値であると主張するニヒリズムだが、実は2種類ある。一つ目の「受動的ニヒリズム」では、どうせ何をやっても意味はないと無価値であることに絶望する末人ばかりの世界。現代の若者たちが陥ろうとしている。
 二つ目の「能動的ニヒリズム」は、まず受動的ニヒリズムを認識して乗り越えた先にあるとされる。意味や目的があるから生きているのではなく「生きている事、そのこと自体に意味がある」のだと、無条件に生を肯定すること。
 そうやって無価値のニヒリズムの中において、自ら生きていく意味と生き方を確立させられた者を「超人」と呼ぶらしい。

 ニヒリズムの世界は宮崎駿監督の風の谷のナウシカで描かれていることが有名ですね。劇場版アニメではそれほどわからないですが、漫画版の主人ナウシカはまさにニーチェのいう受動的ニヒリズムに陥り絶望し、能動的ニヒリズムから超人へと変わっていく心情が描かれています。

正太
正太

ニーチェについての本って非常に難しいものばかりだけど、飲茶さんの『飲茶の「最強!」のニーチェ』は哲学初心者でも読みやすくておすすめだよ。

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